私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦:経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(2/8 ページ)
2度目の起業ということでマイペースにコツコツやれば、きっといつかは……。そんな私の気持ちを打ち砕くきっかけとなったのが、スタートアップ企業の登竜門、LaunchPadへの出場だった。
私は人生を変えたかった
以前からベンチャー界隈に身を置いているものの、実はLaunch Padを詳しく知っていたわけではなかった。
コンテストの数カ月前、たまたま知り合いの経営者のFacebookタイムラインで、応募締切が近いことを知った。そのときに以前耳にした、「Launch Padで優勝したら人生が変わる」というフレーズが頭の中をよぎった。次の瞬間、「私も人生変えたい」という強い思いが沸いてきたのである。
なぜそう思ったのか。今だから言うが、実はカラーズという会社を作ってから、1社目ほどの大きな苦労がまだなかったからだ。2回目の起業だったので、ある程度の知見やノウハウもあり、順調に優秀なスタッフを集めることもできたからかもしれない。
出資はほぼすべて自分だから、事業が赤字でも、誰にもつつかれることもなかった。また、事業は社会貢献生が高く、私なりに地道な努力をしていた。価格も安く抑えていて、事業内容も評価が高いから、いつか必ずうまくいくだろうという、変なマイペースにはまっていたかもしれない。
でも、当たり前の話だが、事業の評価というのは、取り組んでいる事業の実績のはずだ。
心のどこかで「このままでいいのだろうか」「ほかの仕事が忙しいからといって、スピードが遅れているのでは」などという葛藤もあった。
前の会社を辞めても、周囲からは「楽しそうにやってるね」とよく言われた。実際に、素晴らしいメンバーに囲まれて、心から楽しい毎日だった。けれども、何の結果をまだ出していないことは、私のなかに焦りを生んだ。そうした矢先にLaunch Padを知り、挑戦してみようという思いを持ったのである。
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