現場は影響あるの? セブン-イレブンの“ドタバタ劇”:コンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)
鈴木敏文会長が退陣したことで、セブン&アイ傘下のセブン-イレブンには、どのようなインパクトがあるのだろうか。今回は、筆者の経験談を交えながら、コンビニ店舗が受ける影響と変化についてご紹介する。
コンビニ探偵! 調査報告書:
「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
セブン&アイ・ホールディングスが大きく揺れた。グループのカリスマ・鈴木敏文会長が退陣したことで、セブン&アイ傘下のセブン-イレブンには、どのようなインパクトがあるのだろうか。
今回は、筆者の経験談を交えながら、コンビニ店舗が受ける影響と変化についてご紹介する。
社長交代が現場に与える影響
読者の中にも、自身が勤める会社のトップが代わったという経験をした人もいるだろう。トップといっても社長だけではない。会長や取締役が代わることで、現場はその影響を直接受けないこともあれば、逆に、今までのやり方からガラリと変わることもある。
多くの場合「業績が低迷した」「リーダーシップを発揮できなくなった」といった理由で社長は交代する。もちろん、病気や年齢などの問題で交代せざるを得なかったというケースもあるので、一概に交代の良し悪しは言えない。
コンビニ業界では、買収などで社長が交代し、それまでの仕事の進め方などが引き継がれず、大きく変わったケースがある。例えば、ファミリーマートは西友から伊藤忠商事へ株式を譲渡し、ローソンもダイエーから三菱商事へと筆頭株主が変わった。それに伴い、社長交代というよりは「政権交代」が進んだ。セブン-イレブンはセブン&アイ・ホールディングスの誕生により、イトーヨーカ堂の単なる子会社ではなく、名実ともにグループトップへと躍り出た。
今回のセブン&アイのトップ交代劇は、かつてファミマやローソンが経験したような話ではない。しかし、おにぎりの味にまで口を出してくる鈴木会長が退陣したことで、企業買収のような「政権交代」が加速するのではないだろうか。
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