舛添知事の“お金”の使い方に、なぜ不満を感じるのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/6 ページ)
舛添都知事が政治資金の使い方をめぐって揺れている。海外出張にかなりの費用をかけているが、海外から見ても法外なのだろうか。実は米国でも州知事が海外へ出張して、ちょこちょこ問題になっているのだ。だが……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
5月13日、東京都の舛添要一知事は記者会見で政治資金収支報告書の誤りを認めて謝罪した。
『週刊文春』の記事によって家族旅行の宿泊費を「政治活動費」に計上していたことなどが指摘されたこの問題だが、舛添知事は「大事な会議をした」などと苦しい言い訳をして火に油を注いだ。今後も追及は続くだろう。
そんな舛添知事は、この問題のほかにも、高額な海外出張が取りざたされていた。2014年10月に英国のロンドンやドイツのベルリンを訪問した際は、19人の随行員を連れた5泊7日で、6975万円を使っている。また2016年4月12〜18日に米国を訪れた際は、旅費だけでファーストクラスの225万円、滞在中は会議室付きのスイートルームに滞在し、その宿泊費が5泊で計73万5600円に上ったと報じられている。ちなみに2014年2月の就任後から8回の海外出張で経費は合計2億1300万円に上っている。
舛添知事が海外出張にかなりの費用をかけているのは間違いないが、それは海外から見ても法外なものなのか。実は自治体を治める知事が海外へ出張することについては、特に米国でもちょこちょこ話題として取りざたされる。今回は主に米国の状況と照らして、舛添知事の出張経費をどう解釈できるのか探ってみたい。
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