「ふるさと納税」金額・件数ダントツ1位は宮崎県都城市 なぜ?(2/2 ページ)
2015年度のふるさと納税1位に輝いた宮崎県都城市。なぜ同市のふるさと納税はそこまで人気なのか。担当者に理由を聞いた。
28万件のうち、4割以上がリピーター
同市が飛び抜けているのは受け入れ件数の多さだ。トップ20自治体のうち、20万件を超えているのは同市だけ。2位の山形県天童市(約18万1000件)と10万件以上の差をつけている。
寄付は1万円から100万円まで受け付けており、100万円の返礼品は「黒霧島一升瓶365本」。以前は500万円で「宮崎牛2頭分の肉」という返礼品も用意し(現在は終了)、ネットを中心に大きな話題になった。
ただ、高額の寄付はそれほど多くはなく、72%が1万円以下。2万円以下を含めると9割近くになるという。
特に人気なのは1万円のA5ランク宮崎牛サーロインステーキや、手に入りにくい焼酎「赤霧島」。他にも、4キロもある豚肉切り落としは200〜300セットが3分でなくなる人気ぶりだ。
……といった話を聞くと「一見さんが多いのかな」という印象を抱くが、実は28万件のうち、4割以上がリピーター。「届いた返礼品の写真を撮って、SNSなどにアップする方も多い。それを見て新たに申し込んでくる方もいて、口コミ効果の大きさを感じる」(担当者)。
家電や商品券などと比べ、肉などの生鮮品は大量供給が難しい。14年10月にふるさと納税に取り組み始めた際は1社との提携だったため、すぐに品切れになっていたというが、15年度から組む企業を増やし、現在は55社と協力。受け入れ件数の急増にも耐えられる安定供給体制を構築したことが件数トップにつながった。
「提携している会社には、みな『市を代表して食品を提供している』という意識がある。寄付をする皆さんにもその意識の高さが届いてくれたのかもしれない」
返礼品への満足度が高いので、口コミやリピーターなどで件数が多くなり、また胃袋を満たす人が増えていく――そんな好循環になっている都城市のふるさと納税。現在、同市には前年度を上回る勢いで寄付の申し込みが届いているという。
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