少子高齢化もなんのその 島村楽器の業績が好調なワケ:水曜インタビュー劇場(楽器公演)(7/7 ページ)
少子高齢化なので、島村楽器の業績は厳しいだろうなあ……と思っていたら、店舗数・売上高ともに右肩上がり。好調な理由を聞いたところ、客商売の基本を徹底していることが分かってきた。
とことん問題を解決する
伊地: 虫歯ってそのままの状態にしておくと、どんどん悪くなっていきますよね。そうならないために、痛くなったらすぐに病院に行かなければいけません。いや、虫歯にならないように、定期的に歯医者に足を運ぶことが大切ですよね。
楽器も同じなんですよ。定期的にメンテナンスしなければ、どんどん悪くなってしまう。でも歯と違って、楽器は痛みを感じることがないので、「大丈夫だろう」と思うかもしれません。でも、早期発見・早期治療がいいんですよね。困っている人がいたら、その人を助けることができるようにしていかなければいけません。
土肥: 問題を解決しますねえ。島村楽器は音楽に関係することしか手掛けていませんが、違う分野に進出する予定はありませんか?
伊地: いまのところその予定はないですね。当社の全従業員は音楽に助けられた人間ばかりですから。
土肥: 音楽に助けられた? どういう意味でしょうか?
伊地: 彼女にフラれたときに、音楽を聴いて助けられたとか(笑)。
土肥: ははは。
伊地: お付き合いしているときに、彼女と一緒にいるときにあの曲を聴いたなあとか。人によってきっかけは違うと思いますが、「楽器っていいよね」「音楽っていいよね」という気持ちを持っている人ばかり。でなければ、お客さまにその熱意は伝わりません。
土肥: そうした人ばかり集まっているので、音楽と違う分野に進出するのは難しいということですね。これからもモノだけでなく、コトもたくさん提供してください。本日はありがとうございました。
(終わり)
関連記事
- 売上過去最高! 知られざる「島村楽器」のルーツ
島村楽器が売り上げをグングン伸ばしている。ショッピングセンター内を歩いていると、同社の看板をよく目にするが、ルーツを知らない人も多いのでは? 島村楽器・広報課に話を聞いたところ、意外な事実が……。 - 生産中止! 大苦戦していたブラックサンダーが、なぜ“売れ続けて”いるのか
30円のブラックサンダーを食べたことがある人も多いはず。年間1億個以上も売れているヒット商品だが、発売当初は全く売れなかった。一度は生産中止に追い込まれたのに、なぜ“国民の駄菓子”にまで成長することができたのか。 - 眼鏡がいらなくなる? 世界初の「ピンホールコンタクトレンズ」にびっくり
近視や老眼をコンタクトレンズ1枚でカバーできる「ピンホールコンタクトレンズ」をご存じだろうか。現在、臨床研究を進めていて、2017年度中の商品化を目指しているという。どのような原理でできているかというと……。 - 累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由
これまで“絶対にはずせない”と思われてきたネジを、“絶対にはずす”工具「ネジザウルス」(運営:エンジニア)をご存じだろうか。工具は年間1万丁売れれば大ヒットと言われている中、ネジザウルスは累計260万丁も販売。消費者の心を“つかんだ”理由について、同社の高崎社長に聞いた。 - 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。 - 飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析
飛行機に乗るとき「できれば早く乗りたい」という人もいれば、「できれば最後に乗りたい」という人もいる。搭乗口で最後に手続きを済ませているのはどのような人なのか。羽田空港で飛行機の遅延分析をされている、JALの担当者に話を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.