え、空港にそんなクルマがあるの? 深夜に出動する特殊車両:水曜インタビュー劇場(空港のクルマ公演)(5/7 ページ)
空港で働いているクルマといえば、飛行機をターミナルから押し出す「トーイングカー」を想像する人が多いのでは。しかし空港内には、夜中に作業するクルマが存在している。航空会社ではなく、国交省が管理するクルマはどんなことをしているのだろうか。担当者に話を聞いた。
フォローミーカーは急ブレーキをかけない
土肥: 最後に、VIPが乗っている飛行機を先導する「フォローミーカー」の話を聞かせてください。
担当者: 安全に誘導するために、クルマには電光掲示板を設置しています。VIPが乗っているときには、電光掲示板に「FOLLOWME」と表示されます。5月に行われた伊勢志摩サミットのときには、たくさんのVIPが来られたので、フォローミーカーが何度も出動しました。
VIPが乗っている飛行機が到着した際、フォローミーカーは近くの誘導路で待機しているんですよね。先導する際のスピードは、飛行機のスピードと合わせなければいけません。基本的にゆっくりとしたスピードで誘導していて、その際、急ブレーキを踏んではいけません。なぜか。急ブレーキを踏んでしまうと、後ろを走行している飛行機も急ブレーキを踏んでしまうかもしれません。そうすると、ガクッとなってしまうので、危険ですよね。というわけで、フォローミーカーは急ブレーキをかけません。ウインカーを出すときも早めに出します。飛行機が急に右に曲がったり、左に曲がったりすると、危ないですからね。
土肥: なるほど。ちょっと疑問があるのですが、そもそもVIPって、頻繁に来ませんよね。たまにしか使わないのに、わざわざクルマを用意するなんてもったいないですよ。
担当者: フォローミーカーの役割は先導するためだけではありません。空港内に異物が落ちていないかなどをチェックしているんですよ。羽田空港にはフォローミーカーが4台あるのですが、基本的には3台が動いています。
点検は、1日に2回。深夜2〜3時から始まって、終了は6時。3時間くらいかけて点検するので、走行距離は1台につき70〜80キロ。午後は滑走路の点検を行います。4本の滑走路を1台で、1時間ほどかけて点検しています。1日にフォローミーカーはどのくらい走行しているのか。3台合わせて、150キロを超えていますね。
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