日本よりも先に、中国がサッカーW杯で優勝する(かも):世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
中国企業が欧州サッカー界に惜しみなく投資している。日本代表の長友佑都が所属するインテルを買収したほか、本田圭佑が活躍するACミランも、中国企業が買収するのではないかとうわさされている。巨額の資金を投じることで、中国サッカーのレベルは向上する!?
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
6月6日、イタリアの一部リーグに属する伝統的なサッカークラブ、インテル・ミラノが中国企業に買収されるというニュースが世界中を駆け巡った(参照リンク)。
インテルと言えば、日本代表の長友佑都選手が所属する有名チームであり、日本でも大々的に報じられた。買収を発表したのは、中国の家電量販大手「蘇寧雲商集団」で、中国国内リーグの江蘇蘇寧を所有し、外国人選手を“爆買い”していると話題の企業だ。
中国は今、欧州のサッカー界に惜しみなく投資をすることで、プレゼンスを高めている。実はインテル買収のすぐ後の6月10日、フランスでも、中国の投資家たちが米国人投資家らを巻き込んで、一部リーグのOGCニースを買収したことを発表した。
中国は最近、欧州の経済停滞でスポーツクラブなどが苦しい経営を強いられている現状を見逃さず、ここぞとばかりに盛んに投資を行っている。そしてその背景には、中国が国策として発表しているサッカー強化計画の流れがある。このままいけば、中国はアジアのみならず、W杯のような世界的大会でプレゼンスを高める日はそう遠くないのかもしれない。
中国が投資を発表した欧州のビッグチームは、インテルやニースに限らない。世界の三大リーグと言われるイタリア、スペイン、イングランドにそれぞれ食い込んでいる。
イングランドではプレミアリーグ(一部リーグ)に属するマンチェスター・シティの株式13%を中国の投資ファンドなどが獲得したり、プレミアリーグから降格したばかりの有名クラブ、アストン・ヴィラも中国企業に買収された。スペインのリーガ・エスパニョーラ(一部リーグ)では、アトレティコ・マドリードの株式20%を中国企業が獲得しているし、かつて元日本代表の中村俊輔が所属していたエスパニョールも中国企業に買収されている。
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