日本よりも先に、中国がサッカーW杯で優勝する(かも):世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
中国企業が欧州サッカー界に惜しみなく投資している。日本代表の長友佑都が所属するインテルを買収したほか、本田圭佑が活躍するACミランも、中国企業が買収するのではないかとうわさされている。巨額の資金を投じることで、中国サッカーのレベルは向上する!?
国内サッカーにもかなり投資している
イタリアでは、長友のインテルだけでなく、日本代表の本田圭祐選手が所属する強豪ACミランも中国企業が買収するとうわさされている。イタリア元首相でオーナーのシルヴィオ・ベルルスコーニは交渉を認めており、いつ買収の発表があっても不思議ではない状況だ。さらにフランスではニースとは別のチームも中国企業に所有されている。またオランダやチェコでも2015年から中国企業がサッカーチームを買収している。
中国は国内でもサッカーにかなりの投資を行っている。インテルを買収した蘇寧は国内で保有するクラブ「江蘇蘇寧」に、ブラジル代表3選手を獲得。またコロンビア代表の有望な2選手が中国国内のチームに移籍している。こうした選手以外にも、有名選手が多額の移籍金で続々と中国にやって来ている。
また日本代表のアルベルト・ザッケローニ元監督は北京国安に移籍しているし、ブラジル代表の監督として日韓W杯を制覇したフェリペ・スコラーリ元監督も今は中国チームで指揮を執る。前回の冬市場では、中国国内リーグでは、こうした外国からのタレントを獲得するのに2億8000万ドルの移籍金が動いた。これは世界のどのリーグをも上回る金額だ。ただこれはあくまで移籍金だけの金額であり、年棒などは含まれない。
日本サッカーが世界に通用しなかった時代に生まれたJリーグに、多額の年棒で著名な選手が次々と入団したJリーグ黎明期を見ているのかのようである。言うまでもなく、日本サッカーはそのおかげで、今やアジア屈指の強豪国となった。
こうした中国のサッカー熱の裏には、中国政府の国策がある。日本の過去を参考にしたかどうかは分からないが、中国の国務院は2014年に産業部門の規制緩和を行い、ガイドラインで中国企業に外国のスポーツチームへの投資を促した。また2015年3月16日には、2050年までの中国サッカー強化計画を発表した。50のポイントを示したこの計画は、サッカー好きである習近平国家主席の肝いりだと見られている。
関連記事
- 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。 - 世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……? - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?
英語の社内公用語化など、グローバル企業への成長を目指して動き出した楽天。だが、本当に必要なのは「国際企業ごっこ」ではない。国際社会に対する社会的な貢献が求められる。 - 「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”
「中南米は危険」といった話を聞いたことがあると思うが、私たちが想像している以上に“危険”であるようだ。「世界で最も暴力的な都市2015年」を見ると、上位に中南米の都市がランクイン。こうした状況に対して、日本のある文化が期待されている。それは……。 - フランスで「食品廃棄禁止法」が成立、日本でも導入すべき意外な理由
フランスで「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する法律が成立した。世界で類を見ない画期的な法律であると世界各地のメディアで取り上げられ話題になっている。課題もたくさんあるが、フランスのこの取り組みは日本でも参考になるのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.