日本よりも先に、中国がサッカーW杯で優勝する(かも):世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)
中国企業が欧州サッカー界に惜しみなく投資している。日本代表の長友佑都が所属するインテルを買収したほか、本田圭佑が活躍するACミランも、中国企業が買収するのではないかとうわさされている。巨額の資金を投じることで、中国サッカーのレベルは向上する!?
中国はサッカー大国を目指す
計画では、まず中国サッカー協会を国務院直属のスポーツ機関である国家体育総局から切り離して、予算や人材などの権限を与えるとする。つまり政府からの押し付けではなく、サッカーの専門集団に中国のサッカー強化に向けた取り組みを任せることを目指すものだ。
そして中国のサッカーレベルを底上げする目的で、サッカー専門のアカデミーを10年以内に5万校に増やすと発表している。イングランドなどのサッカーチームと手を組むとし、事実、習近平国家主席は2015年の訪英時に、強豪マンチェスター・シティのアカデミーを訪問している。ちなみに、広州にある世界最大のサッカーアカデミー「恒大足球学校」は現在、スペインの強豪レアル・マドリードとコーチの契約を結んでいる。
また2020年までにサッカー人口を5000万人にし、2030年までにはアジアで最強のチームをひとつ作る計画も明らかにした。そして2050年までに中国から世界で最強のチームのひとつを生み出すとしている。ちなみに中国が世界トップクラスを誇るスポーツといえば卓球だが、卓球人口は1億人に上り、それが中国の強さを支えていると言える。
この計画とは別に、2016年1月には、外国生まれの選手を帰化させるという計画も考慮していると報じられている。とにかくサッカー大国になることをかなり重要視しているということだ。
もちろんビジネス面での計算も働いている。中国政府は2014年に、国家戦略としてスポーツ分野を2025年までに現在の5倍となる7820億ドル(5兆元)規模の市場にする目標を明らかにしている。サッカーはそのうちの半分ほどを占めることになると言われている。
中国ではサッカー人気はすでにかなり高い。2014〜15年シーズンのイングランド・プレミアリーグを例に見ると、中国だけで3億5000万人が視聴した。また中国の国内リーグである中国スーパーリーグでも、かつて八百長や汚職でファンが完全にいなくなった時代とは違い、最近は観客が戻ってきており、2014年に比べて2015年は動員数が17%近く増加している。とにかくサッカーファンはますます増加しており、今後もそのポテンシャルは期待されている。
関連記事
- 世界が販売禁止に乗り出す、“つぶつぶ入り洗顔料”の何が危険なのか
スクラブ製品が、世界的に注目されているのをご存じだろうか。私たちが何気なく使っているスクラブ洗顔料や歯磨き粉などの一部には、いわゆる「マイクロビーズ」と呼ばれるプラスチックの粒子が使われている。その粒子が……。 - 世界から「児童ポルノ帝国」と呼ばれるニッポン
衆議院で可決した「児童買春・ポルノ禁止法」改正案。日本では大きく報じられていないように見えるが、海外では大きな話題になっている。規制が強化された格好だが、海外メディアの反応は厳しい。その内容とは……? - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - なぜ「楽天」が世界中で叩かれているのか?
英語の社内公用語化など、グローバル企業への成長を目指して動き出した楽天。だが、本当に必要なのは「国際企業ごっこ」ではない。国際社会に対する社会的な貢献が求められる。 - 「最恐の殺人地域」を救うことができるのか 武器は日本の意外な“文化”
「中南米は危険」といった話を聞いたことがあると思うが、私たちが想像している以上に“危険”であるようだ。「世界で最も暴力的な都市2015年」を見ると、上位に中南米の都市がランクイン。こうした状況に対して、日本のある文化が期待されている。それは……。 - フランスで「食品廃棄禁止法」が成立、日本でも導入すべき意外な理由
フランスで「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する法律が成立した。世界で類を見ない画期的な法律であると世界各地のメディアで取り上げられ話題になっている。課題もたくさんあるが、フランスのこの取り組みは日本でも参考になるのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.