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フマキラーの蚊取り線香が、なぜインドネシアで売れたのか水曜インタビュー劇場(蚊公演)(2/7 ページ)

フマキラーの海外展開が絶好調だ。アジアや中南米を中心に進出しているが、売り上げはインドネシアがトップ。1990年に進出してから7年間も赤字が続いていたのに、なぜトップブランドに成長することができたのか。

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「絶対に売れる」と思っていたのに

土肥: フマキラーの海外展開をみると、ものすごく積極的ですよね。インドネシア、インド、マレーシアなど7カ国で子会社を設立。欧米、中近東などの7カ国で現地生産をして、輸出先は55カ国にも達するとか。そんな中で、インドネシアの売り上げが好調ですよね。日本の夏の風物詩「蚊取り線香」を「VAPE」というブランドで発売していて、現在はトップブランドだとか。売れている秘密に迫る前に、インドネシアに進出した1990年当時の話を聞かせていただけますか?


蚊取り線香は「VAPE」という名前で発売されている

山下: 進出したころの蚊取り線香のシェアをみると、海外メーカーが70〜80%を占めていました。そのほかにも現地メーカーがたくさんあって、後発組の私たちは不利な立場に置かれていました。ただ、現地で発売されている蚊取り線香を分析すると、いいモノがなかったんですよね。つまり、蚊があまり死なない。

土肥: どういうことでしょうか? 蚊取り線香なのに、蚊があまり死なないって。

山下: 蚊取り線香はピナミンフォルテという成分を使っていて、これが入っていれば効力を発揮するんですよね。日本で使われている蚊取り線香は、その成分が0.3%入っている。しかし、海外メーカーや現地メーカーのモノは0.1%も入っていませんでした。というわけで、効力がほとんどないのにもかかわらず、現地の人は使っていたんですよ。

 インドネシアの場合、デング熱やマラリアといった伝染病がまん延している地域も少なくありません。蚊に刺されないことが重要になるので、「効力が強い当社の商品は絶対に売れる」と思っていたんですよね。でも、なかなか売れませんでした。

土肥: どうしてですか? 蚊に刺されると痒いだけでなく、命にもかかわるかもしれないのに。


フマキラーは後発組だったが、インドネシアで「絶対に売れる」と思っていた

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