コンビニが次に狙う“お宝”は何か 利用者の「不安解消」がカギ:コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
あなたは家事代行サービスを利用したことがあるだろうか? 共働き世帯が増え家事代行サービスが勢いを増す中、最近はコンビニも家事代行を意識しているようだ。今回は、家事代行サービスの現状と、コンビニの販売戦略について考察したい。
コンビニが家事代行業者のライバルに!?
このように、「おやつ」のカテゴリーに位置していたファストフーズが、数年前から「おかず」を意識した商品開発となっている。弁当の横に並んでいる総菜も、今に始まった商品ではない。
ここ1年ほどのコンビニ各社動きを見ていると、総菜もファストフーズも家事軽減をキーワードとして双方をアピールしている印象だ。それは、認知がされつつも思いのほか浸透が進まない「家事代行サービス」の食の市場を確保したいというコンビニ業界の意思表示なのかもしれない。
過去の記事「やっぱりコンビニのデリバリーは難しい、これだけの理由」で、商品の購入・配達と御用聞きシステムの“穴”について書いた。いまも課題は残るが、コンビニの便利さは世間に認知されているので、新規産業の家事代行サービスに抱くような不安感はない。コンビニと家事代行サービスが結び付けば、配達や御用聞きなどの需要が増し、サービスが拡大する可能性がある。家事代行サービスの利用が一般的になれば、市場の拡大とともに課題は減っていくだろうと筆者は見ている。
そうなると、地元密着型の先行者であるコンビニが有利に働く可能性は十分にある。家事代行サービス業にとってのライバルは、同業他社ではなく、コンビニなのかもしれない。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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