異物は? 入っていません! ローソンの中国工場に潜入してきた:水曜インタビュー劇場(上海公演)(2/8 ページ)
マクドナルド中国工場での“事件”は記憶に新しい。床に落ちているチキンをひろって再び製造ラインに放り込んだわけだが、そのほかの工場はどうなのか。今回は特別な許可をいただいて、ローソンの上海工場を潜入することに。そこで見たものは……。
低価格のお弁当を提供するために
土肥: 中国と日本の工場とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
野澤: 日本のお弁当と比べて、中国では3分の1ほどの価格で提供しなければいけません。嗜好品にはお金をかけるのですが、お弁当やおにぎりなどにはあまりお金をかけません。となると、手ごろな価格でボリュームがあって、おいしいモノを提供しなければいけません。
では、どうしているのか。日本の場合、メーカーが食材をカットして、味付けをして、商品を工場に納入しています。日本の工場は、それを焼くだけ、煮るだけ、盛り付けるだけといったケースが多い。しかし、こちらは違う。価格を抑えなければいけないので、原材料をそのまま仕入れているんです。例えば、キャベツを仕入れたら、きちんと洗って、カットして、焼いたり、煮たり、盛り付けたりしなければいけません。
日本の場合、調味料も用意してくれるんですよね。例えば、ある食材を炒める場合、そこに指定された調味料を入れると、完成といった感じ。中国では、砂糖、塩、醤油などイチから配合して、調味料をつくらなければいけません。そうすることによってコストを抑えることができ、お客さんに手ごろな商品を提供することができるんですよね。
土肥: 工場の中をみると、確かに従業員がモヤシを洗っていたり、ニンジンをカットしたり、鶏肉を揚げていたりしていますね。でも、手作業の工程が多かったら、人件費の負担が増すのでは?
周: 工場スタート時の従業員は200人ほど。当時、上海にあるローソンは180店ほどでしたが、現在は500店を超えています。生産量は増えても、現在の従業員は250人ほど。機械化できる部分はできるだけ機械を導入して、コストの削減を図っています。
土肥: 日本のように調理された食材を仕入れるよりも、原材料を購入して、工場でトントンと切っているほうが安くつくのですか?
周: はい。日本と違って、こちらでは手作業でやるほうが、コストを抑えることができるんですよね。
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