大手文具メーカーのショウワノートは8月4日、180度に水平開きができるノート「ナカプリバイン(おじいちゃんのノート)」を製造・販売する中村印刷所と業務提携し、共同で小学生向けのノートを開発すると発表した。来春の商品化を目指す。
これまで「ナカプリバイン」の製造方法は手作業が中心だったため、1日300冊程度の生産が限度だったが、ショウワノートが持つ製造・販売のインフラを活用することで、「ナカプリバイン」の技術を使った水平開きができるノートを量産化する。
今秋から小学校の現場で実証実験を開始し、ノートの強度確認や、けい線デザインの最適化などを行う。
ショウワノートによると、「小学生や教員から『水平に開くノートがあると便利』という要望を受けていたところ、Webの記事で中村印刷所の存在を知り、依頼をした」という。
中村印刷所は2014年10月に「ナカプリバイン」を開発。当時は思うように売れず大量の在庫を抱えていたが、今年の1月に従業員の孫が「水平開きができるおじいちゃんのノートです」などとTwitter上で宣伝したところ、数日で3万冊以上の注文が入るなど人気になっていた。
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