2015年7月27日以前の記事
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高野連ってどんな組織なの?(冬とか何してるの?)新連載・新人記者(応援団長)が行く(1/3 ページ)

平成生まれの新人記者2人による連載。第1回は、高校野球を運営する組織、高校野球連盟(高野連)について。どんな人が働いていて、どんな仕事をしているのか。あれこれ聞いてきました。

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新人記者が行く:

 アラフォーの鬼編集者に囲まれつつも、毎日必死で記事を書いている新人のスズキとアオヤギ。元高校球児で“史上最強の応援団長”の呼び名を持つスズキと、家にいるのが何よりも好きな女オタクのアオヤギ。平成生まれの2人が「最近気になること」に突撃していきます。連載バックナンバーはこちら


鈴木 夏の甲子園、いよいよ開幕しましたね。今年はどんなドラマが生まれるのか、楽しみだなー。


青柳 そうですね! 毎年必ず劇的なドラマが生まれるのが夏の甲子園ですからね。ところで、ずっと気になっていたのですが、高校野球ってインターハイを実施する高校体育連盟(高体連)ではなく、高校野球連盟(高野連)が独自に運営しているんですよね。どうしてなんですか? 鈴木さん、元高校球児だから、そのへん詳しいですよね? 教えてください。


鈴木 うーん。高野連について考えたことがなかったからなー。そういえば、どんな人が働いていて、給料とかはどうなっているんだろう。知らないことだらけだ。


青柳 オフシーズン(冬)とか絶対ヒマだと思うんですよね……気になります。


鈴木 じゃあ、ちょっと高野連に行って直接聞いてきますね!


高野連のスタッフは現役の教員

 昨年で100周年を迎えた夏の高校野球。その人気は今も変わらず、風物詩として日本の夏に定着している。そんな歴史と伝統のある国民的行事を運営する組織が高野連だ。高野連は甲子園大会(正式には「全国高等学校野球選手権大会」)と地方予選で運営組織が分かれており、地方予選は各都道府県に設けられた「支部」が運営の全て担う。

 そして、地方予選を勝ち抜いた学校同士が戦う甲子園大会を運営するのが各支部の母体でもある「日本高野連」だ。甲子園の優勝旗などを贈呈したり、閉会のあいさつをしたりするあの人たちである。

 日本高野連に取材を申し込んだところ、「忙しいので大会が終わった後にしてください」と断られたため、今回は支部の中で最も規模(加盟人数)が大きい高野連東京支部で運営責任者(専務理事)を務める武井克時さんから話をうかがった。

photo 国民的スポーツ、高校野球を運営する高野連に直撃

鈴木: こんにちは。今日は高野連(東京支部)についてあれこれ聞きたいと思います。早速ですが、そもそもなぜ高体連ではなく高野連という独自の組織で運営しているのでしょうか。

武井さん: もともと高野連は高体連よりも歴史が古いんですよ。その後、高体連に一時的に加盟したこともありましたが、さまざまな制約を受けることを嫌い、結局自分たちでやっていくことにしたわけです。例えば、高校野球の全国大会は春と夏の甲子園、そして秋の神宮大会と3回ありますよね。高体連に所属しているとそのようなことが許されません。

鈴木: なるほど。高体連の運営方針と齟齬(そご)があり、高野連が独自で運営をしているわけですね。ちなみに、どんな人たちが高野連のスタッフとして関わっているのでしょうか。私も就職できますか?

武井さん: 実は誰でも組織に入れるわけではありません。高校野球は部活動の一環ですから、運営は現役教員たちです。今は、教員を引退した人も手伝ってくれていますが、昔はほとんど現役教師たちだけでやっていましたよ。普段は教師としての仕事があるわけですから、まあ大変ですよ。

鈴木: えっ! 学校の先生が高野連のスタッフだったんですね。しかも現役の。

武井さん: そうですよ。高野連の母体は今でも学校。この東京支部のスタッフも70人中、60人が現役教員です。正確には、高校野球の監督や部長をやっていた教員たちが、高野連のメンバーに加わっています。私も、もともと高校野球の監督を歴任した現役の教師です。本業は学校の教師なので、休暇をうまく使いながら運営に参加しておりまして、予選が終わったら学校の仕事に戻る人もいます。これは甲子園を仕切る日本高野連も一緒です。

photo 高野連の運営母体は学校教員
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