いま職場で“若き老害”が増えている:新連載・常見陽平の「若き老害」論(3/3 ページ)
「老害」の概念が変化してきている。いわば「老害」の「若年化」ともいえる問題だ。この連載では、常見陽平が職場にはびこる「若き老害」という現象を全6回シリーズで読み解く。
「老害」に年齢は関係ない
もともと「若き老害」というのは、TBSラジオ「文化系トークラジオ Life」の中で、私が言い始めた言葉だった。別ルーツ説をあとから聞いたこともあるが、私はそれらの存在を知らず2012年後半くらいから、番組の中で使い始めた。
若いという言葉と、老害という真逆の言葉をネタにしたわけだ。年齢からすると考えが古く、何でも新しいことをやっているふりをする意識高い系が苦手だったので、こう名乗った。下の世代の壁になり、上の世代にも厳しく当たるという、自分の武闘派の姿勢を物語るものでもある。おかげ様で、私のキャッチフレーズとしては定着し、いくつかの連載のタイトルにもなった。Tシャツまで作って、おかげ様で120枚売れた。プロレスラーやバンドのグッズ並みの売れ行きだった。
たまにラジオ番組などでは「お前も、もう若くないだろ」という声もいただいたが、「老害業界」の中では最年少くらいなので、それは違うと反論してきた。
しかし、自分自身、「老害」の概念が変わり始めていることについて、あまりに不勉強だった。私よりもっと若い20代後半から30代前半の「若き老害」も職場に増え始めてる。
そう。もはや、「老害」に年齢は関係ないのだ。
常見陽平のプロフィール:
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。
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