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「ブランドビジョン」を構成する“7つの要素”とは:「売れる商品」の原動力(2/3 ページ)
ブランディングがうまくいかない企業は、パーソナリティーが曖昧です。人気のあるブランドやお店というのは、技術や商品の確かさだけでなく、世の中から見た“ビジョン”がハッキリしています。
ブランディングがうまくない企業はパーソナリティーが曖昧
まず、1の「潜在的能力」とは、そのブランドの背景の力です。「機能的価値」が形に具体的に表れた価値であるのに対し、潜在的にそれを支えているファクトのことです。その会社にしかない技術や特許、その商品ならではの強み、その地域にしかない特徴といったものです。会社であれ、地域であれ、その歴史であったり、そこで育まれてきた風土や精神性というようなものも、ここに含まれるでしょう。個人であれば、生まれ持った特性や、これまでの経験、育った環境というようなことです。
「パーソナリティー」は、7の「関係性」とも密接につながってきますが、言うまでもなくブランドが持つ性格や人格です。ブランドの体現する独特な気風(きふう)であり、お客さまにとってどんな雰囲気の存在でありたいかということです。
個人を相手に顧客の要望に迅速な対応力が求められる不動産会社や保険会社であれば「フットワークの軽い御用聞き」が理想的かもしれませんし、食通に愛される一流レストランなら「あくなき追求を続ける料理人」というようなパーソナリティーを形成するべきでしょう。
ブランディングがうまく進まない企業は概して、このパーソナリティーが曖昧です。その会社の“風貌”が思い浮かばない。根強い人気のあるブランドやお店というのは、技術や商品の確かさだけでなく、世の中から見た“風貌”がハッキリしているはずです。
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