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大ヒット『シン・ゴジラ』 ゴジラ襲来による日本の被害額はどれくらい? 試算してみた新人記者(オタク女子)が行く(2/3 ページ)

大ヒット中の映画『シン・ゴジラ』。巨大不明生物ゴジラの襲来によって甚大なダメージを受けた日本ですが、被害額はいくらだったのか? 外資系戦略コンサルティングファームのマネジャーとともに試算してみました。

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壊滅した東京3区。その被害額はいかに

青柳: ここからがその攻撃を契機にして、巨大不明生物がいわば“覚醒”。すさまじい熱線で、東京3区を壊滅状態に追い込みました……。こちらの被害額は大きそうです。

コン: 建物・インフラの損壊と復旧の直接被害額は、2005年に算出されている首都直下地震における想定を元にします。その試算では直接被害は67兆円と出ているんですね。これをもとに、東京区部の直接被害額を42兆円とみなします。このうち、23区中の3区分が全壊したと考え、約5.5兆円。正確には資本ストックの量で重み付けすべきですが、今回は区数で単純に案分しました。

青柳: 3区というと、港区(芝公園・新橋・虎ノ門)と千代田区(霞が関・東京)と……後は中央区(銀座)でしょうか。

コン: そうだと思いますね。巨大不明生物が上陸後通過した品川区、大田区、世田谷区と目黒区を「半壊4区」と捉えて、42÷23×4÷2で3.6兆円。神奈川県の被害はそこまで大きくないとみられるので、ここにその数字を含みます。

青柳: 合わせて約9兆円。

コン: そして大きいのが、多国籍軍の熱核攻撃に伴う避難による、生産額の低下と交通の寸断での間接被害。こちらは首都直下地震と同じく、23区全域と神奈川県・千葉県の一部地域を想定し、約45兆円になります。

青柳: つまり、第二次上陸時の被害総額は、9兆円+45兆円の約54兆円。数字が大きくてクラクラしてきました。


第二次上陸時の被害総額は、直接・間接合わせて54兆円にものぼる

コン: まだまだいきますよ! 映画のクライマックスである「ヤシオリ作戦」。こちらを箇条書きでまとめますと……

  • N700系新幹線(無人運転) 50億円×2本=100億円
  • 無人在来線爆弾(E231系・E233系電車流用) 10億円×10本=100億円
  • 無人攻撃機(MQ-9リーパー) 17億円×25機=425億円
  • 特殊建機第1小隊 コンクリートポンプ車 2億円×5台=10億円
  • 特殊建機第1小隊 タンクローリー 2500万円×10台=2.5億円
  • 東京駅付近ビル 1000億円弱×7棟=7000億円

 計7638億円ですね。

青柳: 作戦自体は意外とお安い!


意外とリーズナブルなヤシオリ作戦

日本経済、どうなっちゃうの?

青柳: ここまでは、巨大不明生物の上陸に関する被害について聞いてきました。でも、それ以外のダメージもかなり大きいですよね。劇中で言われていたのが経済面の打撃。巨大不明生物の襲撃に遭った日本の経済はどうなるんでしょうか。

コン: 為替の動きは、阪神淡路大震災・東日本大震災時でそうだったように、投機筋の動きで第1次上陸後は円高に見舞われると思われます。第2次上陸後は、被害の大きさが明らかになるにつれ、円安や国債の格下げが起こりそうですね。一方で、巨大不明生物の冷温停止、新元素の半減期の短さ、元素変換細胞膜の活用可能性が報道されれば、復興への期待感から円安が収まり、巨大不明生物上陸前の水準に収束すると思われます。

青柳: なるほど。阪神大震災にならうのなら、為替介入などもあるかもしれませんね……。株価はどうなりそうでしょうか。

コン: サプライチェーン被害による操業停止と円高の影響で、製造業の輸出銘柄を中心に大きく値を下げそうです。ただ、第2次上陸後は、円安が進んだ結果、直接被害のない東海地区の製造業を中心に、値を回復すると思われます。また、巨大不明生物に関連して、化学関連銘柄、エネルギー関連銘柄、建設関連銘柄は値を上げる可能性があります。

青柳: あの世界の投資家、毎日大変そう。

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