「美食の国」イタリアで、“ベジタリアン・シティ”構想が盛り上がっている背景:来週話題になるハナシ(3/3 ページ)
イタリアのトリノ市全体を「ベジタリアン・シティ」にする、という動きがある。「美食の国」イタリアでそのような話が浮上するのはちょっと信じられないが、動きの背景には意外な事実がある。それは……。
イタリアで浸透しつつあるベジタリアン食
2016年2月には何かとお騒がせなシルビオ・ベルルスコーニ元イタリア首相がベジタリアンになると宣言をしたことで話題になった。実はあまり知られていないが、「美食の国」のイタリアはベジタリアン人口がEUで最も多く、人口の10%を占めていると言われている。ちなみに、ベジタリアンが多いという印象のある米国では、人口の7%ほどがベジタリアンで、イタリアには及ばない。
ベジタリアン食は「美食の国」イタリアで浸透しつつあるようだ。そして今後、イタリアではベジタリアン食をめぐる議論がさらに活発になるとみられている(ちなみに市長も議会議員も若い女性ということで女性同士のぶつかり合いと煽るメディアもある)。
かつて世界的な運動に発展したスローフード発祥の地であるピエモンテ州から、また新たなムーブメントが生まれるかもしれない。
しばらくイタリアのベジタリアン論争から目が離せなさそうだ。
著者プロフィール:
藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。
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