お金に働いてもらうために、お金を動かす:銀座で学んだこと(2/3 ページ)
たくさんの報酬を得ている経営者は、「動けばお金が動くのに動かない手はない」と口をそろえます。「動けばお金が動く」とはどういう意味でしょうか? 私が働く銀座のケースを例に挙げながらご紹介します。
「動く」の第一歩はアポ取りから
「できれば効率よく営業したい」。そう思うのは、ビジネスパーソンもわれわれホステスも同じです。
「同伴」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ほとんどのお店ではノルマがあるのでホステスになりたてのときは自分の“係”がまだいませんので、この同伴の回数がお給料に大きく影響します。
ノルマをクリアし一定の回数を上回ると、同伴賞(いわゆるボーナス)をもらえますが、初めのころはなかなかコツがつかめず、たった1回の同伴の約束でさえとても難しいことのように感じます。
営業職のビジネスパーソンが先方の都合のよい日時を聞くのと同様、まずアポを取らなければいけません。簡単に約束を取り付けられればいいのですが、「○○さまのご都合のよいお日にちをうかがえますか?」と聞いても返信がなかったり、「今は分からないので、また後日連絡します」と後回しにされることも珍しくありません。
ホステスの同伴も同じで、「お食事、ご一緒させていただけませんか?」と連絡しても、お客さまが「食事をごちそうしなくてはならないうえに、時間の縛りもある。その後クラブにも行かなきゃならない。面倒だなあ……」と思ったらこの営業は失敗です。ホステスが食事代をもつ場合もありますが、まれなケースです。
では、とても忙しい人のアポを取るにはどうすればいいのでしょうか? 私の経験則でお話しすると、断られない1つの方法として、二者択一があります。
「Aはどうですか?」と言うよりも、「AとB、どちらのお日にちがよろしいですか?」というように、多少強引かなと思うくらいでも、アポが取れることを前提に連絡をするのも1つのテクニックだと思います。
タイミングを見極める
とはいえ、「AとB、どちらにしますか?」と何度聞いても返答がないときは、時間を置くことも必要です。総合建設業会社の会長のAさんはこうおっしゃいます。
「僕は、強引なやり方や強烈な先輩たちを見て育ってきたから、今この立場になって『会ってもいいかな』って思う人は、元気なオーナー企業の人ばかりだよ。みんなちょっと強引なところもあるけれど、かわいげのある生意気さというか、そういうのを見ていると日本もまだ大丈夫かなって思えて安心する。逆に、教科書通りのステレオタイプの人間には会う気がしない。
人と会うのは、タイミングの問題もある。何度リスケしても会えない場合は、『この人とは会うタイミングじゃない』と判断しなければいけない。これはプライベートでも同じ。レストランの予約が取れなかったり、休みが合わなかったり、そうしたときは『今はそのタイミングじゃないんだな』と思わなければいけない」
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