連載
誰が困っているのか コンビニ値引きセールの実態:コンビニ探偵! 調査報告書(2/3 ページ)
先日、ファミリーマートが公正取引委員会からの下請代金支払遅延等防止法に関する勧告を受けたと発表した。ファミマに限らず、コンビニ本部が店舗に負担させている費用は少なくない。今回は、値引きのカラクリなどを例にコンビニ運営の実態をご紹介しよう。
オープンセールでも本部の負担は……
「売れ残った商品の代金一部を負担させる」ことは、ほとんどのコンビニで当たり前のように行われている。筆者も日常業務のひとつとして行っていたので、「なぜ今さらこれを取り上げるの?」と思う半面、コンビニの現場を離れて久しい今となっては異常に感じる。
考えてみてほしい。普段、原価70円の商品が、セールだからといって56円になるだろうか? 爆発的なヒット商品なら原材料をまとめて仕入れることができるが、たかが1店舗の開店セールに大きな影響力があるとは到底思えない。
新商品の売り上げが好調であれば、その後の発注数が期待できるかもしれない。しかし、おにぎりや弁当など通常の取扱商品まで値引きを持ちかけるのはいかがなものか。「あなたたちは新規店舗をいくつ立ち上げているのですか? そのときに、次の店舗のためのデータを取っていないのですか?」と本部に言いたくもなる。
何より、新店を立ち上げるときに必要なのは、店ではなく本部の投資である。ましてや、商品を供給するメーカーに協力を仰ぐのなら、リターンを明示するべきではないだろうか。
関連記事
- コンビニが、何度も「おにぎり100円セール」を行うワケ
「おにぎり100円セール」――。コンビニの店頭にこんなポスターを見たことがある人も多いだろうが、何度もセールを行うことでどういった狙いがあるのだろうか。単に売上増を狙うだけでなく……。 - あれ、もうないの? コンビニで新商品の“寿命”が短い理由
コンビニに行って、「あれ、もう新商品がないの?」といった経験をしたことがある人も多いのでは。以前から「コンビニは商品の入れ替えサイクルが早い」と言われているが、その理由について現役オーナーが明らかにした。 - コンビニで「食品ロス」が絶対になくならない理由
ココイチのビーフカツ横流し問題を受け、食品廃棄に関するニュースが増えてきたように思う。毎日のように食品を廃棄しているコンビニ関係者にとっても気になるところだろう。今回は、コンビニの食品廃棄の現状とその問題点について考察したい。 - えっ、完売したらいけない? コンビニの物流がスゴくなった理由
読者のみなさんは、コンビニに商品が入る時間をご存じだろうか。多くは深夜だが、消費期限の短い弁当やおにぎりなどは1日3回に分けて納品される。実は、これにはいくつかの「思い」があったのだ。 - それはホントにお客さんのため? ファミマの新フランチャイズ契約を分析してみた
先日、ファミリーマートがフランチャイズ契約を変更したという報道があった。実際、コンビニのFC契約はコロコロ変わる。契約期間終了時に同じ内容で更新できるとも限らない。今回は、コンビニのFC契約に焦点を当ててみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.