『沿線格差』の著者に聞く、10年後に注目されそうな沿線・駅はココだ:水曜インタビュー劇場(鉄道公演)(1/7 ページ)
家探しをしているときに「沿線」や「駅」を考慮に入れる人も多いのでは。首都圏でいうと「田園都市線がいいなあ」とか「吉祥寺駅がいいなあ」といった感じで。では、これから注目されそうな沿線・駅はどこか。『沿線格差』(SB新書)の著者に聞いたところ……。
「何か記事になりそうなネタはないかなあ」と思って、書店をウロウロしていたらちょっと気になるタイトルが目に飛び込んできた。『沿線格差』(SB新書)である。
2000年代に入ってからだろうか、「格差」という言葉がたびたび登場するようになったのは。「東京は人口が増えていて、儲かっている会社もたくさんあって、どんどん豊かになっている。一方の地方は人口が減っていて、これといった産業がなくて、どんどん疲弊している」といった感じで、東京と地方の「格差」をテーマにした報道を目にしたことは、一度や二度ではないはずだ。
勝者と思われていた東京23区でも「富裕層が多い○○区が勝ち組」「犯罪件数が多い○○区が負け組」と言われたり、この「格差問題」から逃れることはできないのかなあと思っていたら、「沿線格差」である。「なんだこれは?」と思って、本のページをめくってみると、首都圏の主要19路線をピックアップして、沿線の勝ち負けを定義づけているのだ。「ブランドタウンが多くて」「接続路線が多くて」「乗客が増えていて」など7つの項目を数値化したところ、堂々の1位は「京急本線」、最下位は「西武池袋線」である。
「なるほど、なるほど」と納得する人もいれば、「なぬーっ! ど、どういうことだ!」と反論する人もいるだろう。詳しい内容については本を読んでいただくとして、個人的に気になったのは、この本で書かれていない内容だ。
さざまなデータを集めて、1位は「京急本線」、2位は……というのは話のネタとして面白い。しかし、本には登場していない19路線以外にも、何か隠された興味深いテーマが潜んでいるかもしれない。例えば、いまはパッとしないけれども、近い将来スポットが当たるかもしれない。10年、20年後に再評価される駅があるのかもしれない。そんな疑問を感じたので、著者「首都圏鉄道路線研究会」のひとり、ライターの小川裕夫さんに話を聞いてみた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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