コンビニの「トイレだけ利用」はアリなのか、ナシなのか:コンビニ探偵! 調査報告書(2/4 ページ)
急に用を足したくなって、コンビニのトイレを利用したことがある人もいるだろう。このとき、従業員にひと声かけて利用した? 店内で買い物をせずに利用した? それとも……。
トイレ不要論が台頭していたワケ
現在、多くのコンビニでトイレが設置されている。我慢ができなくなって、一度は利用したことがある人も多いだろう。いまでこそ「コンビニにトイレが設置しているのは当たり前」と思われているかもしれないが、実は物販業界では異例の施策だったのだ。
かつての物販店では、従業員用のトイレはあっても、お客さんに貸すという慣習はなかった。なぜか。会計前に商品をトイレ内に持ち込ませないという防犯上の問題もあったが、それよりも「お客さんの滞在時間」がポイントだった。
飲食店では、昔からお客さん用のトイレがある。ハンバーグを食べたり、ビールを飲んだりすれば、用を足したくなることがある。ただ、それだけの理由ではない。トイレを設置することでお客さんの滞在時間が長くなるので、店は設置しているのだ。トイレで用を足して、すっきりした。ビールをもう一杯飲もうか……といった経験をもつ人もたくさんいるだろう。
飲食店だけに限らず、デパートのような大きな物販店にも、お客さん用のトイレを設置している。こちらも店内にトイレを設置することで、お客さんの滞在時間が長くなる。もしトイレがなければ、お客さんは用を足すために違う店に流れてしまうかもしれない。いや、流れてしまうだろう。そうした行動に歯止めをかけるために、店内にトイレは不可欠なのだ。
では、コンビニはどうか。パンとコーヒーを買うだけ、お弁当とお茶を買うだけ、お菓子とタバコを買うだけ。といったお客さんが多いので、滞在時間は短い。本部やオーナーの多くが「必要なモノをちょっと買って、すぐに帰るから店内にトイレは不要だ」と決めつけていた。「いやいや、トイレを設置したほうがいいよ」といった声があったとしても、「それでいくら儲かるの?」「トイレを設置するのはいいけれど、そのコストは誰が負担するの?」といった感じで、トイレ不要論を訴えてきた……というよりも考えすらしなかった。
ところがである。お客さんの滞在時間が長くなれば、売り上げが伸びる――。といったことが指摘されるようになって、「店内にトイレを設置すれば、儲かるのでは!?」といった考えが主流を占めていくことになるのだ。
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