内定ブルーになったとき――キャリアカウンセリングで話すこと(1/3 ページ)
10月1日は新卒学生の多くが一斉に入社内定式などに臨む、社会人としてのキャリア確定の日です。この時期は、苦労して勝ち取った内定にもかかわらず、せっかく獲得した内定に悩んでキャリアカウンセリングに訪れる学生も少なくありません。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
10月1日は新卒学生の多くが一斉に入社内定式などに臨む、社会人としてのキャリア確定の日です。苦労して勝ち取った内定にもかかわらず、この時期に及んで、その内定先に不安を感じる学生もいます。これまで散々内定を得るために就職対策で相談に来ていた学生が、今度はせっかく獲得した内定に悩んでキャリアカウンセリングに訪れるという時期でもあるのです。
内定者の立場
内定とは、始期付解約権留保付労働契約といわれ、まだ社員の身分で働いてはいなくとも、その契約を会社が破棄=内定取り消しをすることに大きな枷(かせ)をかけるものです。日本の会社の解雇規制が働き、社員ではなくとも内定取り消しには大きな制限があります。ではその逆、内定者が内定辞退をするのはどうでしょう。
この規制は労働者保護のためのものですから、労働者側が契約(内定)を反故(ほご)にすることについては、道義的には大きな問題があっても不可能ではありません。内定目指してまっしぐらに突き進んだ結果、複数内定を得ることも珍しくありませんから、最終的に入社できる1社に絞らなければなりません。
1社に絞ったものの、自分の決定はこれで良かったのか、本当は別の会社に入るのが正解ではないのかと迷ったり後悔し出すことで内定ブルーが生まれます。そのピークはこの10月1日内定式前と、4月の本入社前なのです。
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