コンセプトは「世界初」 イケメン大暴れ『HiGH&LOW』が10代女子の心をツカむ理由(4/4 ページ)
LDHグループ総出演の総合エンターテイメントプロジェクト『HiGH&LOW』。コンテンツとメディアミックスの成功例として学ぶべき点が多い本作は、何を目指して生まれたのか? 日本テレビ植野浩之プロデューサーに聞いた。
対象層とズレないために
――『HiGH&LOW』は前者の脳で作っているとおっしゃっていますが、でも映画館で本作を見たときに、カッコいいシーンが出るたびに「キャーッ!」と女子の悲鳴が上がっていました。
植野: 基本的には「僕たちが好きなもの」ですけど、何カ所か女子ウケを狙った部分もありますね。僕は、男の人も女の人も、根本的にカッコいいと思っているものや好きなものは変わらないと思っているんです。アクションシーンは、女性が見て「これだったら痛くない」と思うレベルにしています。「痛い」と感じさせければ「カッコいい」が勝って歓声が上がる。バランスを取るようにしています。
――最後に、仕事において、大切にしていることを教えていただけますか。
植野: 今のところは、“僕が面白いと思っていること”と、“10代や女性が面白いと思っていること”が近いので、うまくいっている感じがします。でも、ズレは生まれてくる。だから常に、いろんな世代、いろんな性別の人の意見を聞きます。「どこがいいのか?」「どこが悪いのか?」「どこにキュンとするのか?」「どこにハマるのか?」を聞いて、微修正していく。今は“取り入れる”というレベルですが、もし自分の感覚と対象層の感覚がズレてきたら、100%人の意見を聞きます。
――大々的にズレたら、自分を変える。
植野: ガッと変えますね。僕の仕事は、自主映画ではありませんから。“人にササる”というのが全てです。
『HiGH&LOW』の映画第2弾『HiGH&LOW THE RED RAIN』は、10月8日公開。雨宮兄弟(斎藤工、TAKAHIRO、登坂広臣)の人間ドラマにフォーカスしたストーリーになっている。バイクアクションやカーアクションも充実。『THE RED RAIN』から『HiGH&LOW』の世界に入ってみるのもオススメだ。
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