「コンビニの公衆電話」は、やがて消えてしまうのか:コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
かつて、コンビニの開店時に公衆電話の新規設置は欠かせなかった。「いつでも誰でも利用できる」という点ではコンビニこそ公衆電話の拠点としてふさわしいように思えるが、年々減っているようだ。今回は、コンビニの公衆電話の設置について考えてみよう。
いざというときは、近くに1台はある
では、コンビニでの設置状況はどうだろうか。試しに「東京都」「セブン-イレブン」というキーワードで検索すると、1441件ヒットした。2016年7月末時点、東京都のセブン-イレブンの店舗数は2426店なので、少なく見積っても店舗の半数には公衆電話が設置されているという計算になる。
この状況を踏まえると「騒がれるほど公衆電話は減っていないのでは……」と思うのは筆者だけではないだろう。例えば、駅前に5つあった電話ボックスが2つに減ることはあっても、ゼロになるケースは少ない。設置数は減っているとはいえ、いざというときは近くに1台はあるということだ。
とはいえ先述した通り、今後、公衆電話の新規設置は基本的にないとなれば、この先、減少の一途(いっと)をたどるのは想像に難くない。
携帯電話やスマートフォンのバッテリーが切れていたり、電波が入りにくいところにいたり、何らかの事情で公衆電話を必要とするシーンは必ずある。そうしたときに、いまは「コンビニに行けば、公衆電話があるよ」かもしれないが、やがて「コンビニに行っても、ないよ」という日がやってきそうだ。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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