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交通の便がいい「赤羽」は、どんな街なのか:○○駅の拠点力(赤羽編)(3/4 ページ)
街歩きの番組で「庶民的な街」「昼から飲める街」として、東京都・北区の赤羽がよく取り上げられている。そんな赤羽は、どのような特徴があるのだろうか。
赤羽は2つの顔を持っている
都市といえば「ビジネス街」を想像するかもしれないが、住宅街も都市に含まれる。せまい一戸建て、ぎっしりとしたマンション・アパートは、暮らしのある都会の象徴的なものだ。そういったところで暮らしている人が『東京都北区赤羽』には登場するのだろう。
西口にまわると、駅前に巨大なイトーヨーカドーがある。その他にも、ショッピングビルがある。こちらは、団地のあるエリアのお膝元。団地もまた古くなってしまったが、やや新しい地域の住民が、ニュータウン的な生活をするのにふさわしい感じになっている、西口周辺を歩くと、郊外住宅街に近い印象を持ってしまう。
東と西で、赤羽は2つの顔を持っている。庶民的な下町としての赤羽と、団地のある暮らしの街としての赤羽と。
東北や信越、北関東から上京してきた人は、東京でも北のほうに住みたがる、とよく言われている。赤羽は、そんな人たちが集まっている駅なのだ。
高度成長期、あるいはそれ以前に上京してきた人は、赤羽駅周辺の密集地に住むようになり、住宅が足りなくなると、団地に住むようになった。そうして現在の赤羽がつくられていった。
赤羽駅は、人間の拠点のような駅でもある。東北や信越、北関東からやって来た人たちを赤羽に集約し、鉄道路線で働く都心に送り込む。そのために、4面8線のホームを必要としている。
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