小久保工業所、なぜヒット商品がどんどん世に出るのか:水曜インタビュー劇場(アイデア公演)(3/5 ページ)
和歌山県に本社を構える「小久保工業所」をご存じだろうか。従業員80人ほどの会社なのに、新商品を年間100種類ほどリリースし、次々にヒット商品が誕生している。なぜ、こんなスゴいことができるのか。同社の社長に話を聞いた。
世の中に出ている商品を「ひと工夫」するだけ
土肥: 最近、ヒットした商品はどのようなモノですか?
小久保: 2016年2月に「小麦粉ふりふりストッカー」を発売したところ、ものすごく売れました。この商品は「小麦粉をふりかけることができる」だけ。
土肥: え、それだけ?
小久保: 小麦粉をちょっと使うとき、スプーンや手でまぶす人が多いと思うのですが、均等に付けることができなかったり、粉だらけになったり、イライラすることがあるんですよね。また、ボウルに入れると分量が多くなって余ってしまうことも。さらに、使ったボウルを洗わなければいけません。そうした不満に対して、必要なぶんだけふりかける容器をつくりました。もちろん、小麦粉だけでなく、片栗粉や粉砂糖などにも使えます。
2015年3月に発売した「ハンガー」も好評ですね。「バスタオルを干したいけれど、ベランダが狭くてたくさん干せない」といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。そうした人向けに、省スペースでもバスタオルを干せるように、伸び縮みするハンガーを発売しました。このほかにも省スペースに対応したハンガーを発売していまして、ハンガー1本に8個のピッチを付けることで、靴下やハンカチなどを干せるようにしたり、ハンガー1本に12個のホールを付けることで、最大12連にすることができたり。
このように世の中に出ている商品を「ひと工夫する」だけで、たくさんの新商品をつくることができるのではないでしょうか。ただ、新しい商品をつくったらおしまい、というわけではありません。環境が変わることでまた新商品を出すことができます。
土肥: どういう意味でしょうか?
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