出荷数が1.5倍以上に! 「ゴールデンカレー」は何を改革したのか?(2/2 ページ)
カレールー市場が伸び悩む中、エスビー食品のロングセラー商品「ゴールデンカレー」も売り上げアップを目指してブランド改革を進めている。既にその成果は目に見える形で表れてきたという。
商品にもバラエティを持たせた。ゴールデンカレーは発売以来、パーケージや味のリニューアルは何度か行ったものの、新しいシリーズ商品は作ってこなかった。そこで2011年に季節限定の「ゴールデンカレー バリ辛」を発売。同商品は激辛唐辛子「ブート・ジョロキア」を使用した刺激的な辛さが特徴で、例えば辛いもの好きなど、従来のゴールデンカレーとは違う新たなファン獲得を目指した。
バリ辛はこれまではだいたい5月〜8月に販売していたが、年々売れ行きが好調になったため、今年は期間を延長して2月からの販売に踏み切った。
そのほか、2015年2月にはさらに上質を求める消費者に向けた「プレミアムゴールデンカレー」を定番商品としてラインアップに加え、2016年5月には新たな夏季限定商品「ゴールデンカレー クランチスパイス」を発売した。
味のアピールにも力を入れた。「実際にゴールデンカレーを食べたことがない人も多いのではないか」という問題意識から、2016年7月には商品の無料提供や、リアル店舗「カレーショップゴールデン」を期間限定で東京・赤坂にオープンするなど、消費者の商品体験の場を作っていった。
こうした取り組みの結果、2005年からの10年間で40代の購入率(世帯全体、主婦年代別)が25.1%から27.3%と、全世代の中で最も伸びた。
ゴールデンカレーは今後も30〜40代を中心にした顧客の拡大、深堀りに取り組む考えだ。消費者を飽きさせないためのロングセラー商品の次の一手はいかに。
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