大戸屋、低価格メニューを拡充へ 客数伸び悩み「環境変化に合わせた改革必要」(2/2 ページ)
大戸屋ホールディングスは今後、広告宣伝・マーケティング面を強化し、他社との差別化を鮮明に打ち出していくほか、海外事業や中食事業に注力する。
広告宣伝・マーケティング面の強化
大戸屋の最大の特徴としている「店内調理」(注文を受けてから、店内で1から調理する)や品質面をアピールするため、これまであまり注力してこなかった広告・宣伝(テレビCMなど)を積極的に行っていくという。
「調理業務に効率化を求めず、店内で手間暇かけて良いものを作る。それによって味の違いを出すことができ、他社との最大の差別化につながっている。後はそれをしっかりお客に伝えていくだけ」(窪田社長)
マーケティングのベースとしていたのは月に数万枚ほど集まる店舗内アンケートだったが、今後はそれに加え全国のFC店オーナーから意見を集める「FCオーナー会」を定期的に実施する。地域によって異なるユーザーのニーズを取り入れ、地域限定メニューの開発やサービスに反映させていく狙いだ。
また、価格面も見直す。現在、800円台のメニューが約半数を占めるが、今後は700円台のメニューを増やしていくという。
同社は5年前から、仕入れ価格の高騰などの影響を受け、高単価(1200〜1500円)なメニューを販売していた。「ユーザーに高いという印象を与えてしまった」(同社)ことが客数減の1つの要因だと分析している。
「2〜3年前までは価格の高いメニューでも人気があったが、そのトレンドは確実に変わってきた。しかし、一定層にはニーズがあるので、高価格帯の商品はメニュー表の目立たないところに掲載して対応している」(窪田社長)
海外事業と中食事業に注力
海外事業については現在、8つの国と地域に94店舗を展開。成長が見込める海外への出店を加速させ、20年までに約2倍(200店)規模にする。「ヨーロッパにも展開していき、日本の定食文化を世界に広めていきたい」(窪田社長)
また、中食事業では、9月からフードデリバリーサービス「UberEATS(ウーバーイーツ)」と提携し、新たに宅配サービスを展開。
窪田社長は「中食市場の拡大を見据えた新しい挑戦。これまでは店頭でお弁当を販売するだけだったが、宅配サービスによって商圏を拡大し、新規ユーザーを開拓していく」と説明した。
「2020年に向けて、『安くておいしいものをたくさん食べてほしい』という創業者の思いを継承しつつも、環境の変化に合わせて改革していくべき部分は改革し、飛躍していきたい」(同)
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