“トランプショック”で大リーグが氷河期を迎える危険性:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
ドナルド・トランプが大統領選を制したことで、思わぬところにも影響が及ぶかもしれない。米メジャーリーグ(MLB)だ。どういうことかというと……。
MLBにとって「非常に都合の悪い大統領」
さらにトランプは別の意味でも、MLBにとって「非常に都合の悪い大統領」となりそうな予感が漂う。彼は隣国のメキシコを厳しく批判し「不法移民の流入を防ぐためにも両国の国境に巨大な壁を築くべきで、その費用はメキシコに払わせる」「メキシコの不法移民は麻薬や犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦魔だ」「米国はドルを我々の敵に送金するのをいつ止めるのか、メキシコやその他だ」などとも口にしている。
MLBには2020年をメドにメキシコとカナダに1球団ずつフランチャイズを置く構想があると言われている。だが、この2球団新設に関してもメキシコに友好的でないトランプが次期大統領就任が決まったことで暗礁に乗り上げそうだ。しかもNAFTA(北米自由貿易協定)からの離脱をほめかしている点からも分かるように、米国内の活性化を図りたいトランプはメキシコやカナダとシェイクハンドすることもそれほど望んではいない。そう考えれば、この両国への球団新設がますます難しくなりそうな流れがお分かりいただけるであろう。
それだけではない。「対キューバ」もだ。これまで長きに渡って続いていた国交断絶から実に54年ぶりとなる米国の融和路線への転換を受け、MLBも亡命選手ではなくキューバ国籍を持つ有能なプレーヤーたちがメジャーリーグ球団で近いうちにプレーできるような受け入れ体制を整えようと水面下で着々と下地作りを進めていた。ところがトランプは移民問題に目を光らせていることから、ラテンアメリカとも距離を置こうとしている。メジャー関係者の間でも「再びキューバとの関係が冷え込み、これまで慎重になって築き上げてきたキューバ人プレーヤーの受け入れ体制作りも一気に崩壊してしまうのではないか」との懸念が広がっているのが現状なのだ。
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