インタビュー
なぜ日本のカイロが、中国で売れているのか:水曜インタビュー劇場(暖公演)(5/7 ページ)
小林製薬グループの使い捨てカイロが中国で売れている。2003年に進出したが、当時、現地でカイロを使っている人はほとんどいなかった。にもかかわらず、どうやって市場をつくっていったのか。担当者に話を聞いたところ……。
カイロがよく売れているエリア
土肥: カイロがよく売れているエリアはどこでしょうか?
森田: 中部エリアですね。中でも上海でよく売れています。
土肥: 北部のほうはいかがでしょうか? 気温が低いので、よく売れそうですが。
森田: 残念ながら、北部の市場はそれほど大きくありません。北部はセントラルヒーティングを設置しているところが多いので、カイロの使用シーンが限定されています。ちなみに、日本でも北海道では苦戦しています。同じ理屈ですね。
土肥: 一方の南部はいかがでしょうか? 暖かいところではさすがに売れない?
森田: 暖かいところは不要と感じられるかもしれませんが、そうでもないんですよ。暖房設備があまり充実していない、寒さにあまり慣れていない、といったことから急に寒くなるとよく売れます。例えば、香港などでも好調です。カイロは寒暖差によって、売れ行きが大きく左右されるんですよね。
土肥: 「○度以下になったら、売れ始める」といった傾向があるわけでね。ちなみに、何度ですか?
森田: いや、それは、ちょっと企業秘密でして……。
土肥: コンビニでもありますよね。「○度以下になると、おでんが売れる」とか。
森田: お、おでん理論とよく似ています。
土肥: ということは、コンビニでおでんが売れ始めると、カイロもいい感じで店頭から消えていくわけですね。
森田: ご、ご想像にお任せします。
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