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理論で分かる きゃりーがブレイクした理由:キャズム理論が進化している(2/6 ページ)
派手なファッションに身を包み、喜怒哀楽はあまり見せない。アイドルであるにもかかわらず、ときに変顔をする。そんな「きゃりーぱみゅぱみゅ」が、なぜ人気があるのだろう? と疑問を感じている人も多いのでは。彼女がブレイクした理由を、キャズム理論で分析したところ……。
新しいモノはどのように広がっていくのか(イノベーター理論)
赤文字系ファッションは、私が大学生だった1980年代前半はまだ少数派で大学のキャンパスでは目立っていた。その時代から徐々に広がり、今や当たり前になった。
青文字系ファッションも、ちょっと前まであまり見かけなかったが、1990年代には青文字系雑誌は創刊されていたし、青文字系ファッションも原宿を中心に徐々に広がっていた。だから青文字系ファッションは「原宿系」とも呼ばれる。そして2011年にきゃりーがデビューして一気にブレイク。いつの間にか青文字系ファッションが街を占拠するようになった。
ファッションのように、新しいものが普及するときの反応は、人によって違う。「新しいモノ大好き」という人もいれば、「ちゃんと見極めてから試したい」と考える人、さらには「これまでのモノが一番」という頑固な人もいる。これを新しいモノを受け入れる順に、5つのタイプに分類したのがイノベーター理論だ。
- イノベーター(全体の2.5%): 革新者。新しいモノ大好き。なんでも真っ先に取り入れる
- アーリーアドプター (全体の13.5%):先駆者。よさそうだと自らで判断したら取り入れる
- アーリーマジョリティ(全体の34%):現実主義者。他の人がいいと言ったら取り入れる
- レイトマジョリティ(全体の34%):懐疑派。多くの人が取り入れたら自分も取り入れる
- ラガード(全体の16%):頑固者。最後まで文句を言って取り入れない
青文字系雑誌が出た1990年代から、原宿で青文字系ファッションをしていた女性はイノベーター。きゃりーがデビューしたころに青文字系ファッションをはじめた人はアーリーアドプター。そしていま、渋谷にいる青文字系ファッションの人たちはアーリーマジョリティだ。
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