連載
カラオケ「まねきねこ」大躍進の裏側:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/4 ページ)
近年、「カラオケ本舗 まねきねこ」が絶好調だ。店舗数で業界首位を走ってきた第一興商の「ビックエコー」にほぼ並びトップクラスに躍り出た。一体何が起こっているのか。
カラオケ戦争を勝ち抜けるか
まねきねこの店舗は直営が大半で、FC(フランチャイズ)制による拡大は行わず、キャリアを積んだ社員による社内独立制を推進。この独立店は23店にまで増えている。今後も社内独立制を強化していくとしている。
また、海外展開にも力を入れる。「今後は首都圏への出店を継続し、国内での収益基盤を築くとともに、ベトナム、インドネシア、フィリピンなど、人口ボーナスのある海外へ展開していきます」(大和氏)
現状ではシンガポールで11店、韓国で9店を展開している。東アジア、東南アジア全般にカラオケの人気は高い。国によるニーズを細かく拾っていけば、視界は良好だろう。
首都圏は市場規模も大きいが、全国展開の「ビッグエコー」「カラオケバンバン」をはじめ、「カラオケ館」「カラオケルーム歌広場」などライバルも多い。しかし、「ゼロカラ」「朝カラ」「すきっと」など、まねきねこ特有のサービスで優位性を確立すれば、勝ち抜ける可能性は高いだろう。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
関連記事
- マイク片手に「出発進行!」 異色の「鉄道カラオケ」が業界大手から生まれたワケ
「快特品川行きです 次は京急蒲田に止まります」――そんなフレーズから始まる“カラオケ”がある。配信しているのは通信カラオケ大手のエクシングが展開する「JOYSOUND」。異色の「鉄道カラオケ」はなぜ生まれたのか? 企画の生みの親に聞いた。 - ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
カレー専門店の圧倒的シェアを誇り、独走を続けるCoCo壱番屋(ココイチ)。近年、そんなココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているのをご存じだろうか……。 - 出店加速! なぜ「鳥貴族」は“全品280円”でも成長できるのか
若者の酒離れ、居酒屋離れが強まっているといわれる中、その流れと逆行するように業績を伸ばしているのが「鳥貴族」だ。同店の成功の秘密を解説していく。 - オリジンでちょい飲み なぜ「オリジン弁当」をやめるのか
長年親しまれてきた「オリジン弁当」は、リブランディングによって、装いも新たに「キッチンオリジン」へ、看板もメニューも再構築されつつある。その理由とは? - 地方のフードコートでも行列 「いきなり!ステーキ」の快進撃が止まらないワケ
高級ステーキを安価で提供する「いきなり!ステーキ」は破竹のような勢いで快進撃を続けている。実は最近、ショッピングモールのフードコードでも絶好調らしい……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.