コンビニは高齢化社会に対応できるのか:コンビニ探偵! 調査報告書(2/4 ページ)
人口の高齢化は社会問題になっている。コンビニ業界でも高齢化への対策は課題であったが現状はあまり進んでいない。今回は、コンビニが高齢化社会にどう対応していくべきかを考えてみたい。
コンビニの品ぞろえは高齢者向け
コンビニの高齢化対策として、比較的進んでいるのは「品ぞろえ」だ。
例えば、おむつ。10年前までは、大人用のおむつを置いている店はほとんどなかったが、現在では多くの店舗で標準的な品ぞろえに入っている。棚のスペースもA4サイズ程度を確保するだけなので、オーナー店長は「置くか、置かないか」という判断だけでいい。日常業務である「商品の入れ替え」「棚割りの変更」などで調整できるので、レギュラーの品ぞろえに加えるのは特に難しいことではない。
他の例として、弁当のカテゴリーに「白飯」がある。これは「弁当ではなく、ご飯と好きな総菜を一緒に購入してもらおう」という狙いがあったが、多くの消費者には響かなかったようで、あまりにも売れず品ぞろえをやめる店も少なくなかった。
ところが最近では、「家でご飯を炊くと余ってしまう」という独り暮らしの老人が1食用(もしくは2食用)として購入することも珍しくない。筆者がコンビニオーナーだったころも、白飯を定期的に買っていく高齢の常連さんがいた。ほぼ毎日だったので、そのお客さん用に白飯を発注していたこともあった。
このように、コンビニが取り扱う商品の最大メリットは「幅広く」かつ「小分け」であること。偶然にもコンビニの品ぞろえは、そもそもが単身および高齢者に向けたラインアップであった。また、ほとんどのコンビニは24時間営業で、徒歩圏内にある。高齢によりクルマを運転できなくなった人にとっても、買い物がしやすい環境と言えよう。
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