映画『デスノート』脚本家 今だから語る秘話:前作との違いは(2/5 ページ)
最新映画『デスノート Light up the NEW World』が注目されている。作品の中で、脚本家の真野勝成氏はどのような点にこだわったのか。普段あまりメディアで語ることのない真野氏が、本作について脚本家目線で語ってくれた。
脚本家がこだわったこと
山田: 映画はかなり注目され、話題になりましたね。
真野: 多くの人が映画館に足を運んでくれたことに、感謝しかないです。
山田: いきなりプライベートな質問ですが、注目映画の脚本家としては、公開日のまさに当日はどんな気持ちで過ごしたのですか?
真野: 実は、公開の前夜、急にプレッシャーに襲われました。
山田: 急にですか(笑)。
真野: はい。公開前夜に、夢を見たんです。内容は、完成した映画とは別バージョンの『デスノート Light up the NEW world』が上映されている、というものでした。内容は忘れてしまいましたが、なぜか劇団ひとりさんが出ていました(笑)。
山田: 公開日は何をしていたのですか?
真野: 公開初日は打ち上げのような集まりがあるので、そこで皆さんと会うことができて、初日の盛況を祝いました。その集まりで、(世界的名探偵Lの後継者を演じた)池松(壮亮)さんが、今回の映画を「負け戦をどうやって勝ち戦にするか」と話をしていました。僕も、それと全く同じ感覚で執筆してきました。とにかく大戦を戦い抜いた同志という感覚を関わった人みんなが共有していたと思います。
山田: 脚本家として一番こだわったのはどんなところでしょうか。
真野: 10年前に大ヒット漫画『デスノート』が映画化され、夜神月とLというエンタメ史に残るキャラクターをそれぞれ藤原竜也さん、松山ケンイチさんが演じ、大ヒットを記録しました。未見の人のためにネタバレは避けますが、原作と映画ではラストが違います。今回は映画版と地続きとなる10年後の世界を描くということを前提に、脚本のオファーをいただきました。
僕は普段、『相棒』などの刑事ドラマを書くことが多いのですが、一番の違いは「名前を書かれた人間は死ぬ」というデスノート、そして死神が存在する世界観であるということ。ただ、デスノートの世界には独自のルールがあり、それが登場人物の行動を制約し、苦しめ、ドラマを生む。だから、オリジナル脚本で続編を創る際はまずデスノートのルールをたっぷり駆使したものにしようと思いました。
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