解説 モバイルバッテリーの危険性と選び方:甲斐寿憲のキニナルモバイル(2/4 ページ)
「スマホのバッテリーがすぐに切れるので、モバイルバッテリーを持ち歩いている」人が増えてきた。ただし、注意が必要である。家電量販店などで安いモノを購入したら、とんでもない事態になるかも。どういうことかというと……。
実は安全規格(PSE)対象外製品
ユーザーを危険から守るための安全規格「PSE(電気用品安全法)」をご存じだろうか。経済産業省が管理していて、電気製品やACアダプターを見ると、このマークがプリントされているはず。国内の安全規格に適合している電化製品には必ずこのPSEマークが表記されている。
ところがモバイルバッテリーについては、このPSEマークは適用されていない。単電池当たりの体積エネルギー密度が400Wh/Lを超えると規制の対象になるが、これにはモバイルバッテリーは当てはまらない。というわけで、もしPSEマークが表記されたモバイルバッテリーがあったとしても、基本的には対象外なので注意が必要だ。購入に際しては、信頼できるメーカーがテストをした製品を選ぶことをオススメする。
急速充電対応でも充電が早いとは限らない
「Quick Charge 2.0対応」というスマホが増えてきている。Quick Charge 2.0とは、米Qualcommが開発したスマートフォンの高速充電規格で、「急速充電」とも呼ばれている。最近では最大27%充電速度を向上させた上位規格の「Quick Charge 3.0」も登場している。
この高速充電を実現するためには、スマホ本体が高速充電の規格であり、モバイルバッテリーがスマホ本体の規格と基本的に同じでなければいけない。とはいえ、高速充電は何もQuick Chargeの規格に対応した製品だけではない、という少しややこしい部分もある。基本的にはスマホ購入時に「高速充電(またはその規格)に対応しているか」の可否も確認しておいたほうがいいだろう。
このほか、スマホを高速に充電するためには、スマホ本体とモバイルバッテリーの性能だけではないことも認識しておいたほうがいい。例えば充電に使うケーブルが旧製品付属や粗悪なものであれば、急速充電に対応できていないことも考えられる。
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