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GEに学ぶ、日本企業の「これから」キャズム理論が進化している(4/5 ページ)

「キャズム理論」と聞くと、「ウチの会社でその考え方を活用するのは難しいのでは?」と思う人が多いのでは。キャズム理論は誕生から25年が経っているが、例えばGEのような大企業でも活用され始めているのだ。具体的にいうと……。

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課題2:投入する人材の問題

 2つ目の課題は、新規ビジネスに投入する人材に関する問題だ。

 エックハート氏は「経営トップから、『最高の経営人材を投入してプロジェクトを始めることにしたよ』と言われると、正直に言って不安に感じてしまう」と語っている。これは日本企業で新規事業を立ち上げる際にも起こりがちな問題だ。

 実は成熟した既存の事業分野で優秀な管理をする経営人材は、新規ビジネスでは最悪の管理を行いがちだ。既存ビジネスに必要なスキルと、新規ビジネスでキャズムを超えるために必要なスキルは、異なるのだ。

 営業人材も同様だ。成熟した既存事業の場合は、営業活動では個別取引をいかに数多く効率的にこなすかが重要だ。しかし新規ビジネスでキャズムを超えるためには、こなす数や効率よりも、むしろ個別に顧客の課題を深く理解した上で商品・サービスをカスタマイズしていくコンサルテーションが営業活動では必要になる。求められるスキルが異なるのだ。

 メジャメント(業績などの評価方法)も異なる。既存ビジネスでは利益重視なのでコスト削減も必要だ。新規事業でも利益が重要だが、投資段階なので過度に利益を重視すべきではない。

 既存ビジネスを維持し伸ばしていく人材と、新規事業に投入する人材は、わけて考えるべきなのだ。

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