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米国の衰退から学ぶ、ショッピングモール再生来週話題になるハナシ(3/3 ページ)

米国のショッピングモールが衰退しつつある。数年ほど前から客足が減っていて、いまや「デッドモール」と呼ばれる廃墟が目立っている。なぜ、かつてのような輝きを失ったのか。その一方で、再生に向けた動きも始まっている。

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ショッピングモール復活の可能性

 テネシー州ナッシュビルにある「Hickory Hollow Mall」は、その一例だ。同モールは1970年や80年代に人気のショッピングモールとして活気があったが、近隣に別のモールができたことで売り上げが落ちてしまい、2000年にはデッドモールになってしまった。

 しかし、このモールには現在、コミュニティカレッジのサテライトキャンパス、コミュニティセンター、図書館、アイススケート場などがつくられ、形を変えて再生しつつある。

 他にも、ニュージャージー州では、市役所の機能をデッドモールに移転したり、アリゾナ州では、百貨店が撤退した場所をオフィススペースにしたり、各地であの手この手の再生プロジェクトが進行中だ。

 米国ほど深刻ではないが、日本でもショッピングモールの衰退はしばしば話題になる。ネットショッピングなどが台頭する現代には、これまでのやりかたが通用しない場合もあるのだろう。

 だがショッピングモールが衰退している米国で見直されているグルーエンの考え方から学べることはある。グルーエンの哲学のように、コミュニティーのためのハブとなるショッピングモールを目指す――そうすれば、その先にモールの商業的な復活が見えてくる可能性があるのだ。

著者プロフィール:

藤井薫(ふじい・かおる)

 大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。

 『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。


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