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それでも42歳の上原浩治は納得していない赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

日本人メジャーリーガーの上原浩治投手が、ワールドシリーズを制したシカゴ・カブスに移籍した。1年約7億円の契約を結び、中継ぎ投手として期待されている。世界一の球団に高く評価されたわけだが、上原はきっと「納得」していないことがあるだろう。それは……。

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それでも上原は納得していない

 オリオールズ、そして、その後移籍したテキサス・レンジャーズでは「一発病」のスランプを乗り越えて、セットアッパーとしての地位を確立。後のレッドソックス時代でメジャー屈指のリリーバーとなり、上原がマウンドに向かうと本拠地球場でスタンドがスタンディングオベーションとともに「KOJIコール」で出迎える光景は今や当たり前になった。

 それでも、まだ本人はきっと「納得」はしていないだろう。これだけ米国では大成功を収めていながら、日本では現地のようにスポットライトを浴びているとは大変残念なことに言い難いからである。

 同じ投手でもヤンキースの田中将大やレンジャーズのダルビッシュ有はスターター。いわゆる先発投手だ。日本のメディアにはどうしても先発を“格上”と見るような昔ながらの悪しき傾向がいまだ残っているところがあり、中には上原、そして先日マイアミ・マーリンズと契約した同じくリリーバーの田澤純一よりも田中やダルビッシュの活躍を大きく取り上げようとする社がいくつか見られる。

 ひと昔前の日本プロ野球界には不調でローテーションから外された先発投手に対して用いられる「中継ぎ降格」という配置転換の言い回しが当たり前のようにあって、それが新聞やテレビの報道でも普通に使われていた。だから、その余韻が日本には今でも残っているのであろう。

 メジャーリーグを取材する日本人メディアの数をみると、投手で言えば、田中やダルビッシュが多い。彼らが先発マウンドに立つ日に数十人の日本メディア関係者がそこにいることは珍しくないが、上原らリリーバー組の取材には個人記録やチームの地区優勝がかかっているか、あるいはポストシーズンなどの「大一番」でない限り少ない。球場を訪れる日本人記者や取材スタッフの数がそれこそ1人なんてこともよくある。

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