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スイス老舗観光スポットの集客が好調な理由勢い増すユングフラウヨッホ(5/5 ページ)

スイスは山岳観光が昔から盛んだ。中でもユングフラウヨッホは100年超の歴史があり、多くの人々が訪れる観光名所となっている。特に近年は国外からの訪問者数を勢いよく伸ばしている。その背景を現地で探った。

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「これからも投資は続ける」ケーブルカー路線や施設の新設へ

屋外に設置したクリスマスツリー。背景にはユングフラウ山
屋外に設置したクリスマスツリー。背景にはユングフラウ山

 ケスラーCEOは今後もさらに投資に注力していく構えを見せる。ユングフラウ鉄道グループは近隣の鉄道やケーブルカーも運営しており、ユングフラウヨッホ以外への投資も精力的だ。例えば、日本人観光客が多く宿泊するグリンデルワルトに近いフィルストではアドベンチャーランドがあり、次々と観光アトラクションを増やしている。ケーブルカーの新設も計画されており、中でもグリンデルワルト近くからアイガー山の麓近くのアイガーグレッチャーまでの路線は今後の観光の目玉となりそうだ。

 元々、ユングフラウ鉄道は操業時から最先端技術を駆使し、観光ビジネスを開拓し発展させてきた。かつて名峰ユングフラウ山への路線は実現困難とされていたところ、1983年に鉄道事業で成功していたアドルフ・グイヤー・ツェラー氏が現在のユングフラウ鉄道の構想をひらめいたのが始まりだ。当時最先端技術だったドリル型削岩機から始まり、やがてはダイナマイト発破でトンネルを掘り進めつつ、段階的に部分開業し資金調達しながら建設を進めて路線を完成させた。ヨーロッパの富裕層を対象に、氷河を観光ビジネスとして広めたビジネス手腕もなくては実現しなかっただろう。

 全線開通から100年以上が過ぎ、ユングフラウヨッホは外国人観光客が多く訪れる観光スポットへと成長した。創業時からの強みとなる技術力と新規事業開拓力はなお衰えない。

(取材協力:ユングフラウ鉄道グループ、レイルヨーロッパジャパン

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