人工アイドル「アンドロイドル」は永遠の22歳:「人気アイドルに育てたい」
大阪大学の石黒研究室はアンドロイドとアイドルを掛け合わせた“アンドロイドル”「U」を開発した。ニコニコ生放送や商業施設での活用(実証実験)を通じて人気アイドルに育てていくという。
大阪大学の石黒研究室は2月15日、アンドロイドとアイドルを掛け合わせた“アンドロイドル”「U」を開発したと発表した。ニコニコ生放送や商業施設を活用した実証実験を通じて、社会に受け入れられる人気アイドルに育てていくという。
「U」は同研究室の石黒浩教授が考案した人と対話ができるAI搭載のアンドロイド。2016年12月から「ニコニコ生放送」に出演し、ユーザー(視聴者)からのコメントにオペレーターが遠隔操作で回答することで、4000以上の対話パターンを学習した。
今後は複合施設「ニコニコ本社」にあるサテライトスタジオで、「U」がMCを担当する公開収録のラジオ番組を始めるとしている。ユーザーとの対話を通じて、より円滑なコミュニケーションが取れるように学習させていくほか、放送中にリアルタイムで実施できるアンケート調査を通じてユーザー参加型のアイドルプロデュースを行っていくという。
石黒教授は「人が理想とする完璧なアイドルは、人間ではなくアンドロイドの方が向いている。現時点で『U』は踊ったり、歌ったりはできないが、ドワンゴとの実証実験を通じて社会に受け入れられる人気アイドルに育てていきたい」と話した。
パルコ池袋店は、インフォメーションコーナーのスタッフとして「U」を導入する。「U」の正面に設置したタッチパネルにコメントを入力することで、ユーザーとコミュニケーションを取れるようにする。
また、施設内で出店しているファッションブランドとコラボレーションするほか、「U」がイメージガールとして出演するプロモーションムービーを外壁の大型ビジョン(屋外広告)で放映する予定。2019年に新装オープンする渋谷店での活用も検討している。
「研究室の中だけでは、社会性のあるアンドロイドは作れない。パルコと連携することで、現実空間との接点も作っていく。アイドルとしてできることはまだ限られているが、今後は『U』のきょうだい(コピー)を大量に作ることで、活躍の幅を広げていきたい」(石黒教授)
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