満員電車解消「快適通勤ムーブメント」今夏実施へ:東京五輪に向けて継続実施
小池百合子東京都知事は2月24日、「快適通勤ムーブメント」の今夏実施を発表した。時差出勤、フレックスタイム、テレワーク導入や、時間差通勤によるポイント付与キャンペーンや混雑の見える化を行い、満員電車を解消する。
小池百合子東京都知事は2月24日、「快適通勤ムーブメント」の今夏実施を発表した。電車通勤する利用者や民間企業に、時差出勤、フレックスタイム、テレワーク導入などの取り組みを訴えるとともに、輸送者側には時間差通勤によるポイント付与キャンペーンや混雑の見える化を求め、積極的に参加する事業者や企業に対しては表彰制度を設けるという。
快適通勤ムーブメントは、2020年の東京オリンピックを見据えて継続的に実施を目指す。東京の満員電車問題は、20年の東京五輪開催時に、深刻な交通機能のまひにつながることが予想される。小池都知事は「満員電車ゼロ」を公約に掲げ、当選後はテレワーク導入を積極的に推進している。
当初小池都知事は、満員電車の解消法として「2階建て電車導入」を提案していたが、鉄道業界からは実現性が低いと反発を受けていた。24日の記者会見では「輸送力の増強などのハードの整備も重要である」と述べ、小田急線の立体交差事業、西武鉄道のベビーカーを乗せやすい新型車両などを好例として紹介した。
「ハード(車両の輸送力)とソフト(企業の制度)、あらゆる施策の総動員になる。プレミアムフライデーやクールビズもそうだが、上から変わらないと、『せーの』で一斉にやらないとこの国は変わらない。『うちだけ』では、なかなか日本の企業や組織というのは動かないというのが、一つの日本の象徴のような気がしている」(小池都知事)
初回取り組みの今夏実施に向け、ゴールデンウイーク前後に関係者が参加する「快適通勤プロモーション協議会」を設置する。
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