フルグラやJagabeeを成長させた「現場主義」:カルビーを支える女性リーダー(4/5 ページ)
女性の活躍を推進するカルビーには、生き生きと働く女性リーダーが多い。その一人がフルグラ事業部 企画部 部長の網干弓子さんだ。長らくマーケティング部門に所属し、「Jagabee」のブランド立ち上げにも携わった彼女の仕事のスタンスとは――。
フルグラをどう伸ばすか?
2011年から1年間、網干さんは育児休暇を取得。そして復帰後は、マーケティング本部 フルグラ事業部に在籍している。現在、フルグラシリーズは押しも押されもせぬカルビーの主力商品で、特に2012年ごろから売上高が急成長しているのだ。網干さんが復帰したのもちょうどそのころである。
当時の売上高は50億円前後で、さらなる高みを目指すべく100億円の目標を掲げていた。ただし、社内外での商品認知度は低く、目標達成に向けて網干さんにはJagabeeで培ったブランド作りと、全社を巻き込んだチーム作りなどが期待されていた。
まずビジネス課題の洗い出しを行ったところ、フルグラはシリアル食品のカテゴリーだったことで、一皿で簡単に食べられるという半面、あまりおいしくないという印象が消費者の中にあった。さらにメイン購入者の主婦にとっては「料理が手抜きだと思われる」などとネガティブなイメージが強かった。そのイメージを変えることが、売り上げ増につながると網干さんは考えた。
では、どのように変えようとしたのか。今まではシリアル食品というカテゴリーの中にフルグラを置いていたので、市場規模は約250億円(当時)が限界だと感じていた。そうではなく、見るべき市場を変え、さらに規模が大きな「朝食」という領域で考えるようにした。そこでグラノーラという新しいカテゴリーを打ち出し、それに併せてイメージの刷新も図ったのである。
「市場そのものを伸長させなければ、100億円という売り上げは達成できません。これまではシリアル市場の中だけで競合とシェアゲームをしようとしていたわけですが、朝食市場にまで広げたときにできることが変わってきました」
そうして朝食市場を眺めたときに、朝の食卓に並ぶ人気メニューであるヨーグルトとフルグラは相性が良さそうなことが分かってきた。そこで取り組んだのが“お友だち作戦”である。
「これまではフルグラをどうやって売るかだけを考えていたので、フルグラにヨーグルトをかけてくださいというアプローチになったと思います。そうではなく、ヨーグルトにフルグラを加えてみませんかと、あくまで脇役としてフルグラを使ってもらうようにしたのです。例えば、パンケーキが朝食でブームになれば、パンケーキにフルグラを乗せませんか、といった具合です」
こうした取り組みの結果、グラノーラというカテゴリーの認知度アップとともに、朝食に欠かせないものとして少しずつ消費者に浸透した。2011年ごろのフルグラの認知率は20%台だったが、2016年末には50%に達したのである。
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