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富士通、時給1000円で働く“棚卸しロボット”披露リテールテックJAPAN 2017

小売・流通システムの総合展示会「リテールテックJAPAN 2017」が開幕。各社が披露した最新技術活用の販促ツールや人手不足の課題を解決するサービスとは?

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 小売・流通システムの総合展示会「リテールテックJAPAN 2017」(3月10まで、東京ビッグサイト)が3月7日に開幕した。33回目の開催となる今年は211社が出展。各社が最新技術を活用した販促ツールや人手不足の課題を解決するサービスを紹介した。

 富士通のブースでは、スーパーマーケットなどで棚卸しを支援するロボット「MATEY(メイティ)」を披露。メイティは店内を自動巡回しながら商品の陳列状況をセンサーで読み取り、欠品があれば専用アプリに表示した地図上で補充する商品の位置を教えてくれる。

photo 「MATEY(メイティ)」

 同社によると「スーパーマーケットなどの小売業における人件費の約40%は棚卸し作業。これまでは人が目視で確認を行っていたが、近年は人手不足が深刻化しており、ロボットによる自動化のニーズが高まっている」という。

 「欠品確認の他にも、常に商品の位置をアプリで簡単に確認できるので、新人でも陳列作業や、商品の案内をスムーズに行うことができるようになる」(同社)

photo 欠品している棚の位置を教えてくれる

 また、キャンペーン情報などを記載したPOPを画像認識し、どの場所にどんな内容のPOPが設置されているのかを可視化してくれる。「古いキャンペーン情報のPOPを外し忘れていたために、会計時にユーザーとトラブルになるケースは少なくない。アプリ上でPOPの設置状況を見える化することで、(期限切れPOPを)見落とす心配もなくなる」としている。

 ロボットのコストは「時給1000円」を想定。現在は都内のスーパーマーケットで実証実験中で、1〜2年以内の実用化を目指すとしている。

photo 商品の位置をアプリで簡単に確認

 パナソニックは、同社の独自技術「光ID」(LED光源の高速点滅によって発信するデジタル信号)を活用した情報配信サービス「LinkRay(リンクレイ)」を紹介した。ユーザーは対象のライトやデジタルサイネージにスマートフォンをかざすだけで、専用のスマホアプリを通じて商品の詳細情報やクーポンなどを受け取ることができる。

 2〜3メートル程離れた位置からでも光IDを読み取ることができ、屋外広告などの大きめのデジタルサイネージであればより遠く(20〜30メートル)からでも情報を受け取れる。複数のユーザーが同時に利用できるため、イベント会場など混雑した状況下での活用が期待されるという。

photo 「LinkRay(リンクレイ)」

 また、配信側が多言語に対応した配信情報を設定していれば、ユーザーはアプリ上で表示する言語を選択できるので、インバウンド対策にも有効だ。

 「従来のバーコードリーダーによる読み取りでは、対象の近くまで行かなければ情報を受け取れない上に、ピントを合わせる手間もあった。リンクレイなら直感的に情報を受け取ることができるので、ユーザーのストレスは少なくて済む。20年までに導入店舗1000店を目指したい」(パナソニック)

 OKIデータは、小売り店(スーパーマーケット)向けにユーザーの属性や店内状況を可視化できるサービスを紹介した。レジ近くに設置したAI(人工知能)搭載のカメラがユーザーの性別や年齢を自動で分析。購買データ(POSデータ)とひも付いているので、販売戦略や商品開発に生かせるという。

 「会員カードの作成やレジでのカード受け渡しなど、無駄な時間を省いて手軽にユーザーの購買動向を分析することができる」(OKIデータ)

 また、レジの混雑状況をレーンごとにリアルタイムで分析することも可能だ。一定数を超える人数が並んでいる場合には、専用アプリを通じてアラート(増員の呼び掛け)してくれるので、スタッフが常に目視で状況確認をする必要がなくなる。さらに、時間帯別に最適なレジの稼働台数を予測することで、「レジ待ち」を事前に防ぐことが可能になるとしている。

 同サービスは年内に販売する予定。

photo カメラがユーザーの属性を自動分析

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