講談社、マイ電子書店スマホで開設「じぶん書店」4月開始:メディアドゥと協業
講談社は、自分の電子書店をスマートフォンで簡単に開ける新プラットフォーム「じぶん書店」を4月からサービス開始。電子書籍約3万2000点の中から好きにタイトルを選び、自分の書店のように売り出せる。運営は電子出版取り次ぎメディアドゥと共同。
講談社は3月9日、自分の電子書店をスマートフォンで簡単に開ける新プラットフォーム「じぶん書店」を4月からサービス開始すると発表した。講談社が展開している電子書籍約3万2000点の中から好きにタイトルを選び、書店のように売り出すことができる。売り上げの10%がコインとして受け取れる。
会員登録をして任意のタイトルを選択、推薦コメントを入れると、自分の電子書店を無料で開設できる。SNSなどでシェアをして販売促進活動を行う。電子書籍はスマホのブラウザで閲覧でき、特にアプリなどをダウンロードする必要はない。会員登録をしていれば購入が可能だ。
電子書籍が売れた場合、10%のアフィリエイトコインが書店運営ユーザーに振り出される。コインは電子書籍の購入、書店の拡張のほか、他のポイントやマイルへの交換もできる。
サービスリリース時には、講談社から出版している作家や、講談社の編集者も書店を開設予定。将来的には他の出版社の作品、動画、音楽などのデジタルコンテンツを取り扱っていくことも想定しているという。
サービスシステムの開発・運営は、講談社とメディアドゥが共同で行う。メディアドゥは電子書籍取り次ぎを主業としており、業界首位の出版デジタル機構を79億4000万円で子会社化すると2月28日発表した。メディアドゥはシステム面だけではなく、運営支援や広告プロモーション支援も行うとしている。
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