渡辺謙の不倫スキャンダルが、世界で報じられない事情:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
最近、俳優・渡辺謙のスキャンダルが話題になった。『週刊文春』が彼の不倫疑惑をスクープしたわけだが、いまのところ海外メディアはこの問題を報じていない。ハリウッド映画の「アクター」であるにもかかわらず、なぜ海外メディアはこの疑惑を取り上げないのか。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
「ケン・ワタナベ」と言えば、映画『ラストサムライ』『SAYURI』などで一気に世界的な「アクター」に上り詰めた日本人俳優だ。渡辺謙は、今、世界のエンターテインメントの中心地であるハリウッドで、第一線で活躍している数少ない日本人の1人である。
日本でも活躍は目覚しい。映画にドラマ、CMでその顔を見ない日はないし、プライベートでも自身の白血病や胃がんとの闘いから、妻の乳がん闘病、娘の結婚・出産と話題に事欠かない。
そんな渡辺謙について最近、大きなスキャンダルが報じられた。不倫疑惑である。2016年から猛威を振るっているいわゆる「文春砲」、つまり『週刊文春』によるスクープである。同誌の4月6日号で暴露されたのだが、日本ではメディアが後追いしてあちこちで報じられた。
ハリウッドスターの不倫スキャンダル――。さぞや海外でもこの話題がニュースとして盛り上がっているかと思いきや、実はまったく話題になっていない。筆者がパトロールしたところ皆無だったが、その理由はなぜなのか。米国人と英国人のメディア関係者に尋ねてみたところ、日本人の知らない、英字メディアが抱える独特の事情が見えてきた。
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