実は怖い、インド便のトイレ:世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)
航空会社のトラブルが相次いでいる。男性が警察に引きずり出されたり、母親がベビーカーを奪われたり。いずれも米国の航空会社で起きたわけだが、客室乗務員によると「インド便で深刻な問題がある」という。どういうことかというと……。
トイレが詰まるのは我慢するように
S氏はさらに、トイレが詰まることは何度もあったと言う。インド有力紙の『タイムズ・オブ・インディア』によれば、実は2016年の6〜8月だけを見ても、インド航空で乗客がトイレを詰まらせてしまったために目的地への到着が遅れたのが、14便もあったという。行き先は、ロンドン、シカゴ、ニューヨークなどだった。
同紙によれば、世界中の航空会社でもトイレ詰まりは起きるが、インド系航空会社での発生が多い。なぜなら「インド人の行動もさることながら文化的側面もある。インド人はトイレットペーパーでなく水で洗うのに、飛行機は欧米スタイルのトイレだからだ」。
確かにこの状況もまた、ユナイテッドなどに負けず劣らずの最悪な状況である。筆者個人としては、こちらのほうが断然耐えられない。
機上で大騒動になる。動画に収められる。SNS上で拡散される。……その前に、チケットに「トイレが詰まるのは我慢するように」としっかりルールを作っておいたほうがいいのかもしれない。
筆者プロフィール:
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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