星野リゾート、ブランド作りの条件とは?:トップインタビュー(2/4 ページ)
大阪・新今宮エリアに新たな都市観光ホテルの開業を目指すなど、その取り組みが注目を集めている星野リゾート。同社の経営トップである星野佳路代表に事業展望などを聞いた。
スマートウォッチで大失敗
――星のやの海外展開の具体的な見通しは?
東京も突然決まって、突然スタートしました。結局は収益なのです。都市で日本旅館が採算合うと分かった瞬間に世界の投資家は興味を持ってくれます。世界の大都市というのは、新しいホテルのプロジェクトが年間いくつもあって、どんどんホテルは増えているのです。新しいコンセプトを皆が常に探している状況なのです。
だから星のやが都市でも通用するのだということさえ証明できれば、必ず興味を持ってもらえます。そのためにも星のや東京の収益をしっかり上げることが重要なのです。
それに向けては運営方法が大事です。単に集客できれば良いというだけではなく、労働生産性が西洋のホテルよりも高いということを証明していきたいです。
――星野リゾートの施設では従業員のマルチタスクによって生産性向上を図ろうとしています。業務改善を進める上でITを活用することはあるのでしょうか?
例えば、業務マニュアルをスマートフォン向けに動画配信して、研修でのスキルアップに役立てています。また昨年、スタッフの労働時間を正確に把握することが生産性向上につながるということで、どの場所でどのくらいの時間いたのかというデータの収集をスマートウォッチでやろうとしました。これは大失敗して、いったん止めました。
テクノロジーの活用は果敢に挑戦するようにしていますが、今のところ成功と失敗は半々です。試行錯誤を繰り返しているところです。
――スマートウォッチが失敗したのはなぜですか?
施設内のネットワーク回線の問題もあって、正確にデータがとれませんでした。そのほかにも施設のインフラ面で不具合が多かったです。今後は設計する段階でそうした実験をすることを想定しておかねばと思いました。
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