共謀罪で露出が増えるスノーデンは英雄なのか:世界を読み解くニュース・サロン(4/6 ページ)
NSAの機密情報を暴露したエドワード・スノーデンの名前をよく目にする。かつて日本で暮らし、日本文化が大好きだという彼は、海外でどんな評判なのか。また彼が語っている話は、どこまで信ぴょう性があるのか。
“理解している”のと“読んだ”は違う
オリバー: (暴露した)文書のうちどれだけを実際にあなたは読んだのか?
スノーデン: すべてのアーカイブ書類を調べた。
オリバー: 1枚残らず読んだの?
スノーデン: 私は何を渡したのかは理解している。
オリバー: でも、文書に書かれた内容を“理解している”というのと“読んだ”とでは違うが。
スノーデン: あなたが何を心配しているのかは分かります。
オリバー: 大量のNSAの文書を人に渡す時には、読んでないとダメですよね。
スノーデン: この人はきちんと注意していたのかというのを気にするのは分かりますが……。
オリバー: あなたが扱っているような文書なら、なおさら、そうです。
スノーデン: まず自分を擁護すると、もう私は何も扱っていないです。ジャーナリストたちに手渡して、彼らが最も責任のあるやり方であることを確認しながら非常に厳重に注意して使っている。
オリバー: でもそのジャーナリストたちは、あなたよりも断然、技術的な能力が劣るのですよね……。
スノーデン: でも私とあなたのように、正しく扱うのがいかに重要であるかは理解している。
オリバー: ニューヨークタイムズ紙はあなたの暴露したスライド(文書)を、適切に情報を消さずに掲載した。そして何かプログラムがイラクのモスルで(国際テロ組織の)アルカイダに対して使われたことがバレた。大失態ですよね。
スノーデン: 大失態です。でも報道では起き得ることです。ジャーナリズムでは間違いが起きることを受け入れなければならないのです。これは“自由”というものの基本概念なのです。
オリバー: そうですが、でも、(暴露した)文書はあなたが所有していなければいけない。有害となる可能性があると自覚している情報が、(自分の手から離れて)公表されるかもしれないのです。
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