「新小岩」と「清澄白河」の街に、西側住民が嫉妬する日:東京の東側を比較(2/4 ページ)
東京の姿が、大きく転換しようとしている。都心回帰現象と連動して、東側が注目されているのだ。とはいっても、もちろん、新宿や渋谷、中目黒といった存在にまで成長していないが、この勢いが続けば、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。
葛飾区民と江戸川区民が同居する新小岩
そんな急成長を遂げる“東側諸国”の中でも、ライバルとして互いに意識している駅がいくつかある。その中でも、葛飾区の新小岩は総武線の快速と各駅停車が発着する駅として急成長を遂げている。新小岩駅は葛飾区に立地しているが、江戸川区役所の最寄駅(と言っても駅から徒歩20分程度の距離がある)になっているため、駅周辺の商業施設を利用している人の多くは江戸川区民だと思われる。
そのため、新小岩駅は葛飾区民と江戸川区民が利用しており、1日の平均乗車人員も1998年から増加に転じ、2006年には7万人台を回復。その後、増減を繰り返しながらも微増を続け、2015年には7万4000人台を突破した。
新小岩駅は総武線の快速が停車することから、東京駅へのアクセスもよく、近年は子育て世帯が増加しているという。その背景には、江戸川区が実施している独自の子育て支援策にある。江戸川区では待機児童問題を解消するために、働くママが0歳児の赤ちゃんでも預けられる“保育ママ”制度を早くから導入しているほか、従来では小学3年生までしか預けることができなかった学童についても年齢制限を撤廃。広く区内の子供たちを受け入れることで、女性の社会進出をも後押ししている。そうした独自の育児支援策と立地が、丸の内や日本橋などで働くビジネスパーソンから高い評価を受けている。
一方、新小岩駅が立地している葛飾区も新小岩駅の活用を模索している。葛飾区の鉄道網は、常磐線、京成線や総武線東西に延びている路線ばかりで、南北に移動できるのは金町駅ー京成高砂駅を結ぶ京成金町線しかなかった。そのほか、金町駅ー新小岩駅間を結ぶ線路はあるものの、同区間は貨物専用線(通称:新金線)になっている。
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